(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 コメントは承認制

私立歯学部の定員割れが与えるダメージについて

この前のブログで卒業保留の話をしたら

とある学生さんに

「もっと入学の時点で厳しく選考すればいいのに・・・・」

という感想を頂いた。

ただこの学生さんは定員割れの事までは考慮してなかったのだが、

「多少定員割れしてもちゃんと入学者を選考すれば

 留年が多数でたり卒業保留なんて事なくなるなんじゃないの?」

と思うのは至極当然だろう。

 

私立大学は学生の学費で運営している組織

ということをまず考えなくてはいけない。

 

北海道医療大学の学費のページに参考になるデータがあった。

学費について:入試情報:北海道医療大学 受験生サイト

 

全国私立大学の初年度納入金の平均は5,618,000円だそうだ。

そして6年間でかかる学費の平均は26,641,176円と書いてある。

 

つまり私立では学生1人減ればその学生が6年で卒業するとしたら

2600万円以上の減収となる。

全ての学年で定員が10名割れれば2億6600万円以上の減収となる。

 

では、この減収分はどこで補うのか?

病院収入?多くの私立大学の付属病院は赤字だ。

となればとりあえず簡単なのは人減らしだ。

そう、教官を減らせばいいのだ。

 

例えば、助教の給料を単純に年700万円としてみよう。

2億6600万を助教の削減だけでまかなうとすれば

助教の数を38人削減することになる。

勿論そんな数を一気に減らすことなど不可能だが、

大学側はあの手この手で人員を削減している。

 

まずは講座合併による教官ポストの削減だ

例えば保存科が2つあったのを1つにすれば

最低でも教授のポストは1つ減る。

その他効率化という文字の下で助教なんかのポストも減らされる。

どんどん講座再編が行われているメリットの一側面はこれだろう。

教官が辞めても教官を補充しないという戦法も有効だ

どんどん有給職が減って残っている人の仕事が増えるが

給料は据え置きというナイスなブラック企業ができあがる。

何年も補充しなければ、

そのままでもやれてるじゃないか!

なんて言われてポスト数自体を減らされて補充の話なんてなかったことになる。

教授が何年も決まらないような所もあると聞いている。

 

皆さんが通う大学で、有給職の数減ってるかも?

という所があればこういうことがされているのかもしれない。

 

とにかく私立大学にとって学生数は経営に直結する問題なのだ。

だから現役の国試合格率を少しでも良く見せないと翌年度の受験者数に影響がでる。

学生数が減るのを避けるために学力低下には目をつぶっても合格だ。

その結果私立大学の偏差値はこうなった。

2014年の河合塾のデータ参照

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よくよくみると理学療法学科などよりも偏差値が下

看護学科の方が偏差値が高い所が多い・・・・

チーム医療の中で一番偏差値が低いのは歯科医師

という事に将来成りかねない

 

そしてこれにより害を受けるのは実は国民だ。

偏差値35でも歯科医師になる人は勿論今後出てくる。

そういった人の治療を受けるのが国民。

勿論治療が絶対酷いとは言わないが、

偏差値というのは一種の質の担保であることは確かだろう。

私立歯学の低迷というのはその大学のみならず

最終的に国民がそのツケを払う事になるかもしれない問題なのだ。

 

ではそこでそういう人を通さないように国家試験をさらに厳しくすれば!?

という意見が出てくる。

さらに厳しくなれば私立の国家試験低迷校は厳しくなるだろう。

厚労省は大学を1,2個潰したいんじゃないか?とさえ思えるが

その意図は次回の国家試験の結果で少し見えるのかもしれない。