(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 

歯科医師国家試験合格率推移2019入学版(国公立大学)

国公立も状況は良い、とはいえない

私立よりも偏差値は高いし、倍率はついているし学生の学力は担保されている。

国家試験の合格率も高い。

しかし、最近の国公立は医学部受験に失敗した人達の滑り止め、という側面が浮き彫りになってきてしまっている。

また、独立行政法人化により教官は外来稼働や売り上げ、論文数などを厳しく査定されるようになった。査定が悪いと給料カットという大学も少なくない。また、任期制に移行したため新規に雇用された教官は長年助教や講師をやることも難しくなった。自分達が大学での生き残りをかける中で、ろくに査定にもならない教育に時間をかけることはできない。科研費の申請時期なんて教育の事なんて考えられない、というのが現実だろう。

そういった学生のモチベーションの低下や教官の教育にかけるウェートのさらなる低下が一部の大学の6年ストレート合格率の低下の一因なのかもしれない。

また、仮面浪人で医学部再受験して離脱する学生が毎年どこの大学でも存在するため、これも6年ストレート合格率が下がる原因になっているようだ。

 

語句がよく解らない方は

こちらを参照

 

 

表について

表の合格率の青字は全国平均以上、赤字は全国平均以下

出願者数ー受験者数は出願後に留年になったであろう人数

補正合格率=合格者数/志願者数 表の合格率=合格者数/受験者数

6年ストレート合格率は70%以下を赤字

総合は101から11年間の現役、浪人の国家試験合格率の総計

 

偏差値に関しては河合塾の2018/10/09当時のデータを使用した。

 

追記(2018/10/16):北海道大学の定員等に関して修正

 

北海道大学

偏差値:60.0(センターボーダー78%)

定員:43名+2年時に10名で53名

H28年度:受験者数182人 合格者数51 倍率3.57 入学者数43

H29年度:受験者数167人 合格者数52 倍率3.21 入学者数43

H30年度:受験者数176人 合格者数46 倍率3.83 入学者数42

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国家試験合格率の推移

  10年間トータルの成績では現役の合格率は88%であり優秀である。ただし、111では少し下がってしまった。よくみれば110では38名しか受験しておらず、111では55名受験である。定員は53なのでおそらく111は留年生が多く、その層が足を引っ張った可能性がある。そのため、ここ2年の6年ストレート合格率も65%程度まで下落してしまっている。浪人の合格率もトータルでは50%を越えているが、111では30%を切っており112ではどうなるか観察が必要だろう。

総評

 今年の入学競争倍率は3.83倍であり定員が43名とかなり少ないために競争率が高くなっているようだ。留年、休学者の割合は13.5%であり国公立では少し低めであるが、5年生の留年率が比較的高い。CBTとOSCEだろう。ここ5年間の6年ストレート合格率はあまり良くないので注意が必要だ。

 

東北大学

偏差値57.5(センターボーダー76%)

定員:53名

H28年度:受験者数160人 合格者数63 倍率2.54 入学者数50

H29年度:受験者数163人 合格者数59 倍率2.76 入学者数57

H30年度:受験者数165人 合格者数60 倍率2.75 入学者数53

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国家試験合格率の推移 

 110では6年生を6人留年させたのがネットにリークされ大騒ぎになった東北大学。111ではその留年生も一緒に全員卒業したようだが、10人落ちてしまった。その中に留年生がどれだけいるか知りたいところである。あそこまで大騒ぎしておいて国家試験でも足を引っ張ったとすれば恥の上塗りだろう。

 110を除いて6年生はほぼ全員卒業であるが、最近は10名程度は必ず落ちている。そのため、国家試験の合格率はあまり高い状況とはいえない。浪人生の合格率は50%をわずかに下回っており、111では25%とここ数年で最低である。

総評

 入学時の競争倍率は2.75倍程度であり3倍以下となっている。留年休学者の割合は17%であり国公立の中では高い方である。2年生と5年生が留年ポイントのようだ。やはり東北でもCBTで留年する学生がいるということだろう。6年ストレート合格率は3年連続で70%をキープしており、おそらく留年しなかった学生は殆どが国家試験に合格できている。

 

東京医科歯科大学

偏差値60.0(センターボーダー81%)

定員:53名

H28年度:受験者数195人 合格者数63 倍率3.10 入学者数53

H29年度:受験者数180人 合格者数58 倍率3.10 入学者数53

H30年度:受験者数192人 合格者数58 倍率3.31 入学者数53

 

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国家試験合格率の推移 

 医科歯科といえば国家試験合格率はあまり良くないというのが定説だったのだが、ここ3年は大変優秀な成績を残している。浪人のトータル合格率は67%を越え、万が一浪人してもこの大学はリカバーできる可能性が高い。

総評

  入学時の倍率は3倍以上をキープしており、関東に1校しかない国立大学故に人気は高い。留年休学者の割合は18.4%と比較的高く、2年生での留年が多い。それを越えるとある程度順調に上がっていけるようだ。110で受験者数が減少したのもどこかで落ちたのだろう。そのため6年ストレート合格率も70%前半ぐらいであるが、継続して70%を保つのが非常に難しくなっている事を考えると優秀である。附属病院の患者数もずば抜けている。

 

新潟大学

偏差値57.5(センターボーダー77%)

定員:40名

H28年度:受験者数194人 合格者数46 倍率4.22 入学者数40

H29年度:受験者数132人 合格者数45 倍率2.93 入学者数40

H29年度:受験者数164人 合格者数44 倍率3.73 入学者数40

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国家試験合格率の推移 

 107回ぐらいまでは非常に優秀な国家試験合格率だったが、108で急降下してからはやや低空飛行を続けている。ただし6年ストレート合格率は5年連続して70%はキープしており優秀である。35名程度は毎年合格している事から下5~10名程度の学力が乖離していると考えられる。浪人のトータル合格率は44%であり、浪人するとそのまま多浪していく可能性がある。

総評

 本州日本海側に1校しかない国立大学ということで人気はかなり高いようだ。留年も殆どなく卒業するために6年ストレート合格率は殆ど国家試験合格率と近似する。留年ギリギリでかわし続けると国試で失敗するパターンがここ数年続いていると考えられるので、中間ぐらいの層にいる事を心がけていれば普通に6年で歯科医師になれる大学といえる。

 

大阪大学

偏差値62.5(センターボーダー82%)

定員:53名

H28年度:受験者数129人 合格者数58 倍率2.22 入学者数53

H29年度:受験者数119人 合格者数57 倍率2.09 入学者数53

H30年度:受験者数168人 合格者数57 倍率2.95 入学者数53

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国家試験合格率の推移 

 10年間における現役の合格率は88.5%とかなり優秀である。ここ数年はやや合格率が低下傾向であるのが気になるところ。卒試もなく6年での留年は殆ど無い。浪人の合格率は60%を越えており、万が一浪人してもリカバーは可能である。

総評

 関西圏(というか中部も合わせて)に1校しかない国立大学であり、旧帝大ということもあってか偏差値は一番高い。受験倍率も今年3倍近くに上昇しており人気があるようだ。ただしこの大学で注意しないといけないのは2年生での留年がかなり高い事だ。6年ストレート合格率は大体60%程度なので、6年ですんなりいけるとは限らない大学であることを認識するべきだ。

 

岡山大学

偏差値60.0(センターボーダー78%)

定員:48名

H28年度:受験者数125人 合格者数51 倍率2.45 入学者数48

H29年度:受験者数126人 合格者数50 倍率2.52 入学者数48

H30年度:受験者数148人 合格者数51 倍率2.90 入学者数48

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 国家試験合格率の推移 

 現役の合格率はここ10年で87.3%と優秀である。105や109といった躓きはあるが、良い時は抜群の成績を収める。それが岡山大学だ。浪人の合格率も高い。なんと111では6年ストレート合格率81%と全国最高をマークした。

総評

 今年は受験者数も増加して倍率も3倍近くまで上昇。偏差値も60まで上がった。入学するのは難しくなったといえるだろう。6年ストレート合格率に関してはここ2年は極めて優秀な成績であるが、108や109では70%を割っている。留年する可能性は低いが、5年生のCBTは例外で落とされる可能性があるようだ。5年生だけ突出して留年、休学者の割合が高い。5年時に留年しなければ、6年ストレート合格ということに関してはかなり信頼度が高い大学といえるだろう。

 

広島大学

偏差値60.0(センターボーダー75%)

定員:53名

H28年度入学試験:受験者数287人 合格者数54 倍率5.31 入学者数53

H29年度入学試験:受験者数276人 合格者数56 倍率4.93 入学者数53

H30年度入学試験:受験者数214人 合格者数58 倍率3.69 入学者数53

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国家試験合格率の推移 

 110では全国平均以下の合格率であり、ここ5年程度の合格率もあまり良いとは言えない。、6年ストレート合格率も4年連続60%台であることにも注意が必要だ。ただし、6年生はほぼ留年せず卒業となる。毎年下10人程度が問題となる。浪人の合格率は50%を割っているので浪人は避けたいところ。

総評

 受験者数は右肩下がりであり、倍率も5倍近くから3.5倍程度まで一気にダウンしている。それでも倍率は国公立歯学部では高い方で入試の難易度は高めと言えるだろう。厳しい受験を越えてきた反動なのかなんなのかわからないが、国公立最高の留年休学者率となっており、特に2年時に留年するようだ。そのため6年ストレート合格率も国公立のなかではかなり悪いことに注意をして頂きたい。

 

徳島大学

偏差値60.0(センターボーダー76%)

定員:40名

H28年度:受験者数158人 合格者数44 倍率3.59 入学者数40

H29年度:受験者数188人 合格者数43 倍率4.37 入学者数40

H30年度:受験者数166人 合格者数42 倍率3.95 入学者数40

 

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国家試験合格率の推移 

 乱高下を繰り返す大学である。全国平均以下だったり全国1位になったりと忙しい。なので全く傾向がわからない。111ではやや回復傾向であるが、107~110までは6年ストレート合格率は50%を下回る年もあったりとかなり厳しい。浪人のここ10年の合格率も50%を割っており浪人はできるだけ避けたいところだ。

総評

 四国に1校しかないためか、入学試験の倍率は4倍と結構高い。そうやって選ばれた学生だが、1年生から少しずつ留年する。全体の留年休学者率は18%を越えており、国公立では高いほうだ。そのため6年ストレート合格率もかなり悪い。111では6年ストレート合格率が77.5%まで回復したが、今年の6年生はすでに23%が留年等経験者のため112ではまた下がるだろう。

 

九州大学

偏差値57.5(センターボーダー78%)

定員:53名

H28年度:受験者数176人 合格者数59 倍率2.98 入学者数52

H29年度:受験者数213人 合格者数55 倍率3.87 入学者数53

H30年度:受験者数117人 合格者数56 倍率2.09 入学者数53

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国家試験合格率の推移 

 111ではある程度の合格率をキープしたがここ数年はいまいちな合格率だ。毎年6年生は何人か留年しており、受験者が絞られているため補正合格率は表の合格率よりも低くなっていることに注意したい。 111では42名しか受験しておらず今までの人数からするとかなり少ない。今年の6年生の留年休学者の割合は27%であり、おそらく今の6年生にたまっている。今年の受験者数は多くなりそう。浪人の合格率はかなり高いが、これって現役の時に合格できた人材が多かったということにもなりそうなのだが・・・。

総評

 今年の入試では受験者数が去年の半分程度になっている。何があったのだろうか。そのせいで倍率も2倍程度まで低下して今年は入りやすかった可能性がある。留年率は国公立でも高く18%を越えており、1,3,5,6年あたりで留年する可能性がありそう。6年ストレート合格率はここ2年は70%をキープしているが留年生が多い学年だと60%台に低下する事が充分考えられる。

 

長崎大学

偏差値57.5(センターボーダー78%)

定員:50名

H28年度:受験者数181人 合格者数52 倍率3.48 入学者数50

H29年度:受験者数257人 合格者数55 倍率4.67 入学者数50

H30年度:受験者数175人 合格者数50 倍率3.50 入学者数50 

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国家試験合格率の推移 

 国家試験の合格率は国公立ではかなり悪い方だ。ここ5年で下から3番までが4回である。11年間トータルの現役合格率は83.6%と国公立最低。浪人の合格率は55%程度であり、中間レベルである。

総評

 昨年はかなり倍率が高かったが、今年は2年前とほぼ同じ3.5倍程度となっている。留年休学率は14.7%と国公立の平均レベルであり、2、3年で留年率が高い。基礎系が鬼門の可能性がある。6年ストレート合格率は今年は持ち直したが、その前は3年連続50%台であり6年で歯科医師になるのが他校と比べると何故か難しい。大学のカリキュラムが特殊なのだろうか?7年目以上にならないように上半分にはいたいところ。

 

鹿児島大学

偏差値57.5(センターボーダー77%)

定員:53名

H28年度入学試験:受験者数185人 合格者数56 倍率3.30 入学者数53

H29年度入学試験:受験者数145人 合格者数58 倍率2.50 入学者数53

H30年度入学試験:受験者数194人 合格者数61 倍率3.18 入学者数53

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国家試験合格率の推移 

 国家試験の合格率はここ数年奮わない。国公立最低になってしまった事がここ3年で2回。あとの1年もギリギリ全国平均を越えたという感じ。6年ストレート合格率は悪くない事、留年もあまりしない事から、6年生の後半の勉強法に何か問題がありそう。浪人の合格率は53%とまあまあのレベルである。

総評

 入試の倍率は3倍程度であり、ある程度高い。殆ど留年せず進級卒業していく事から表の合格率よりも6年ストレート合格率が高い年があるほどだ。109を除いて考えると、上7割程度の学力は担保されているが、下3割の学力が乖離しているのではないだろうか。表の数字よりは実際の状況は良さそうではある。

 

九州歯科大学

偏差値57.5(センターボーダー75%)

定員:95名

H28年度入学試験:受験者数451人 合格者数99 倍率4.56 入学者数95

H29年度入学試験:受験者数459人 合格者数96 倍率4.78 入学者数95

H30年度入学試験:受験者数449人 合格者数100 倍率4.49 入学者数95

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国家試験合格率の推移 

 最近の国家試験の合格率は悪くはないが飛び抜けて良くもない、というところであるが、毎年ある程度のレベルは確実にとってくる。大きなマイナスがないのがこの大学の特徴である。浪人の合格率は50%を切っており、あまり良いとは言えないので浪人は避けたい。この大学は出願前留年が指摘された年があったが去年は行っていない。

総評

  唯一の公立校であり、センターボーダーや偏差値は他大よりも少しゆるめに見える。定員も多く、狙い目なのか毎年4.5倍ぐらいの高い倍率を誇っている。2年生で若干留年の危険性があるが、トータルではあまり留年しない大学である。6年ストレート合格率は5年連続で70%をキープしており優秀である。しかし、この大学は定員削減のプレッシャーは受けてないんだろうかね・・・・。福岡に3大学は多すぎると思うのは私だけではないはずだが、福岡県強いのかなあ。

 

まとめ

 国公立は私立よりは国家試験合格率に関して大学間差は少ない。11年間トータルの現役における合格率は最高が阪大の88.5%、最低が長崎の83.6%である。そう大きな差とは思わないが、6年ストレート合格率は各大学で大きなばらつきがある。5年連続で70%を越えているのは、東京医科歯科大学、新潟大学、九州歯科大学しかない。各大学で留年に関しては結構状況が異なるようなのでそこは注意が必要だ。国公立で70%ぐらいしかない、と思われる方もいると思うが、例えば4人ほど医学部再受験で退学しただけで10%近く下がるわけでスタートがMAX90%ぐらいの可能性があることを理解しておくべきである。

 111では国家試験問題のタクソノミーが全体的に上がり、より思考力が問われる問題が増加した。それに伴い知識量は私立よりも少ないとしても思考力に優れる国公立大学生は多少有利になったと思われる。実際111では国公立大学現役と私立現役の合格率を比較すると差が110より開いた。出題基準が変更された初年度は私立や浪人の合格率は下がり、その翌年からは対策がなされ上がってくるパターンが多いが、思考力は1年程度の訓練で培われるものではないわけで、112で私立や予備校の対策が効果を発揮するかは私にはよく分からないところだ。

 111の国公立で私が注目したのは浪人の合格率である。著しく合格率が低下した大学もあるが、逆に踏ん張っている大学もある。著しく低下した大学の浪人は思考力が鈍っているのだろうか?。大学で思考力が問われる状況が他大よりも少ないのだろうか?勿論他に情報収集能力が低いなどの原因も考えられるが(笑)。

 国公立は私立と異なり受験する大学の数が限られるので、充分検討して志望校を決めて頂きたいと思う。

 

私立大学に関しては

 




参考資料

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