研修医が読んだ方がいい本をリクエストされた。
色々考えた。
考えたよ。
けどね。まず読んで欲しいのはちょっと違うんだよね。
保険に関する本
君達保険医になるんだよね?
けど保険の事何もしらないでしょ?
当然だが、君達の治療行為には対価がある。
対価がいくらかもしらないで治療できないし、説明もできない。
なので、まず保険の本はやっぱ読んだ方がいい。
あ、こういう本は買う必要は無い。
どうせ毎年4月に更新されるし、どこの診療所でも置いてある。
4月から変わるけど、今回はマイナー改訂だからいまのうちにH28年度のやつをちらっと読み始めてもいいだろう。
保険でできるブリッジの表なんかはこれみないと私はわからない。
完全に矯正しかやらない、とか完全自費診療のみの医院にするとか、そういった事がなければ一生お付き合いするしかない保険点数。
早い内にある程度マスターすることをお勧めする。
まあ、2年に1回結構変わるけど、それについていくのが保険医の任務なのだ・・。
平成30年の改訂は介護保険との同時改訂で大幅改訂は間違いない。
ガイドライン
ガイドラインは標準治療をするのに参考になるものだ。
今現在普通に診療するにはどういった方法が推奨されているのか、が書かれている。
皆さんは学生の時に先輩や先生が行っている治療が本当にガイドラインに則った治療なのか、それとも違う治療なのか考えたことはあっただろうか?
そして先生がやっているから!先輩がやっているから!という理由でまともなものと信じたのではないだろうか。
そういった伝言ゲーム的な感覚は今後危険だと思う。
全ての分野を網羅しているわけではないが、参考になる。
ガイドラインの多くはMindsに収載されている。
基本的には下のようなCQ(クリニカルクエスチョン)があって、それに答えるべき論文は現在どれだけあるか、その論文の研究デザイン等がしっかりしているか?というのを総合して推奨レベルが決まる。
CQと推奨だけ読めばいいと思う。
ふーん、そうなんだーと思うのが結構あるはず。
勿論だがガイドラインは論文により構築されているものであり、時と共に変化していく可能性がある。当たり前な話だ。
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/dental_caries/dental_caries.pdf
例えば、こんな感じ。
強さBというのは結構強い推奨である。
ちゃんと守った方がいいよ!というレベルだろうか?
こういうことがずっと書いてあるが、引用文献とかはその道の専門家でなければ特に読む必要は無いだろう。
日本歯科医学会においても重複するがガイドラインが掲載されている。
Mindsにないものでも各学会のサイトに掲載されているものもあるが、やはりMinds収載のハードルをクリアしたものがしっかりしていてよいと思う。
一応各学会へのリンクはこちらから
日本にいいガイドラインがない!!という場合、まあ海外の学会サイトを貪ってもいいだろう。英語だけどね。
例えばアメリカのエンドの学会
https://www.aae.org/clinical-resources/in-this-section.aspx
ガイドラインはPDFで無料で配布。
君達は1円も使わない。
欲しい情報があればダウンロードして読んで欲しい。
私も結構ダウンロードしている・・・ぜ・・・・。
今後皆さんがどこかに外部研修や就職したりしたときに、その医院のやり方に疑問を抱くことは多々あるだろう。それに流されていくか、ガイドラインとどれほどかけ離れているのか調べて考えるかは皆さん次第。
今おこなっている治療にはエビデンスがしっかりある所とあまり無い所がある。
しっかりエビデンスがある所に関して、無視して全く異なる手法で治療を行う理由がどこにあるというのだろうか?
歯科の医学書をドンドン買う。勿論それもいいだろう。しかし、著者によっては自分の主義を押し通す人もいるわけでそれを盲目的に信じるよりはガイドラインもしっかりみて、ここは自分の参考にしよう!、ここはいらないな!というのを自分で選択していく必要がある。
いままでみたいに何でも教えられたこと信じてたら大変な事になりますよ。
えー。今回はここで終わり。
予想の斜め上だっただろ?
まずは金かけなくても得られる知識から。
タダより高いものはない、というけどこういったガイドラインはタダで有益。
利用しない手はないですよ。
その2に続く(ゆるりゆるりと書いてます)
国試の発表まで後10日
そろそろ国試の発表が近づいてきているわけだが、
落ちたときにどうするかもう決めておくべきですよ
落ち着かない?ガイドラインでも教科書でも読んで勉強してろ!!
↓一応去年書いた