さて、新しい出題基準が発表された。
これにより来年の第111回国家試験から出題基準から出題されることになる。
確か4年間はこれで行くはずなので第114回まではこれで確定なはず。
(コメントと再確認により3年間→4年間に修正)
さて、みてみよう。
大まかな出題項目の比較
ブループリントに関して平成30年度と平成26年度と比較
さて、これだとさっぱりわからないので比較していく必要がある。
最も大きい項目としては
必修の基本事項 20%→22%に増加
歯科医学総論 30%→28%に減少
歯科医学各論 50%→50%変化無し
であり、必修が問題数増なのは以前からわかっていたことなので予定通り。その減少分は歯科医学総論が受ける事になり各論は出題ウェートは変わらないということになった。
必修の基本事項の比較
少し見づらいが両者の比較
平成26年度は大項目17個であったのが平成30年度では13個とある程度スリム化している。
医の倫理 2%は変化無し
社会と歯科医療が2%から11%に激増
チーム医療は2%から3%へ
予防と健康管理・増進が5%変わらず
人体の正常構造・機能は14%から16%へ
人体の発生・成長・発達・加齢は7%から5%へ圧縮
主要な症候10%は変わらず
診察の基本4%は7%に増加
検査の基本10%と臨床診断の基本2%はまとめられて11%であり1%減
初期救急1%が2%
主要な疾患と障害の原因・病態は12%変わらず
治療の基礎・基本手技は12%から13%へ
一般教養は4%から3%へ減
歯科医療の質と安全の確保7%は削除
診療記録と診療情報2%は削除
医療面接4%は削除
と大きく変わったところは太字にした。
社会と歯科医療が9%も増えていておっと思うが、実はこれは削除された歯科医療の質と安全の確保、診療記録と診療情報9%がそっくりそのまま項目が移されただけで実は変わっていないことに注意して頂きたい。
診察の基本4%→7%増加分も医療面接4%が統合されたことによるもの。
詳細をみたが、まあこれは問題出しづらいよね、というところが簡素化、統廃合された感じであり劇的に変わった所はないような・・・気がする。
まあ詳細はもっと詳しくみて次回に。
歯科医学総論
総論IIの健康管理・増進と予防9%は削除され保健、医療と健康増進21%に統合
総論III 人体の正常構造と機能5%
総論IV 歯・口腔・顎・顔面の正常構造と機能9%
総論V 発生、成長、発達、加齢 3%
以上の3つは正常構造と機能、発生、成長、発達、加齢 17%へ統合
総論VI 病因、病態9%は変わらず
総論VII 主要症候4%も変わらず
総論VIII 診察7%変わらず
総論IX 検査 16%→13%に減
総論X 治療13%→16%に増
総論XI 歯科材料と歯科医療機器13%は変わらず
2つを統合した保健、医療と健康増進21%、3つを統合した正常構造と機能、発生、成長、発達、加齢 17%は出題%には変化がなく、大きく変わったのは検査が減って治療が増えた所だろう。
治療に関しては全身管理に注意する疾患が追加された。
あれ?診察にも全身疾患あったよね?これなくなったの?と思ってみたらそのままあったから全身管理系はかなり拡充されたようだ。超高齢社会で基礎疾患の2つや3つは当たり前、ちゃんと全身を把握してから口をみろ!ということらしい。
というわけでこれからは基礎疾患系の問題はさらに増えるだろう。
360問の28%の3%変化だから、3問ほど治療が増加して3問検査が減ることになるね。
まあ、完全にそれに準じることはないだろうけど増えることは間違いない。
模擬試験もそれに応じた対応になってくるだろう。
歯科医学各論
各論I 歯科疾患の予防・管理6%廃止
各論II 成長発育(小児、矯正系) 19%→20%
各論III 歯、歯髄、歯周疾患(保存系) 23→24%
各論IV 顎・口腔領域の疾患(口腔外科系) 23→24%
各論V 歯質・歯・顎顔面欠損(補綴系) 23→24%
各論VI 高齢者の歯科診療 6%→8%
大きな変化は各論Iの廃止だが、一番下に注釈が載っており、出題割合の6%を歯科疾患の予防・管理に関する項目から出題すると書いており主な項目は保存系の所にしっかり収まっている事から大まかには変わらないと思われる。
360問の50%の2%増加なので3.6問ほど高齢者系が増えることになる。
高齢者に関してはある程度変更されており、注意が必要だ。
フレイルが追加されたり全身状態の評価項目、高齢者に関連した予防などが追加されている。まあ次回詳細は解説。
次回に続く。次回は筆者が結構変わったなあと思う細かい所を見て行こうと思う。