帰還
えーっと、1か月ぐらいブログ更新しなかったら、
やれ死んだ?
とか
どっかから訴えられて数億円請求?
とか某所で書かれているらしいspeeです。
一切そういう事はありません。
単純に仕事がここ5年ぐらいで最も忙しかったのでブログを放置しただけ。
めっちゃ忙しかった・・。
只今、学会発表のポスターを作ってます。
ピークは越えたが仕事が忙しいのはまだ続きます。
とりあえず生存確認のために更新。20分で書いた。
ガイドラインが新しくなった
1か月ぐらい前にTwitterの方に書いたんだが、感染性心内膜炎のガイドラインが新しくなった。
感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版)
Guidelines for Prevention and Treatment of Infective Endocarditis (JCS 2017)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_nakatani_h.pdf
歯科関係のページは51ページからとなる
残念な現状
残念な現状を少しでも打開するためにこの新しいガイドラインがより皆さんの目に届くようになればいいな、と思う。
わが国における予防的抗菌薬投与の現状を把握するために,2016 年 12 月に兵庫県の歯科医師会の協力のもと会員に対して郵送方式でアンケート調査を行い,経験年数が20 年以上の一般開業歯科医の回答を集計した 437).その結果,歯科治療時に IE の予防目的で抗菌薬を投与するという回答は約半数に過ぎなかった.心疾患の既往のある患者すべてを予防投与の対象としていたのが約 2 割,高リスクの患者のみを対象としていたのが 8 割であった.抗菌薬の投与方法として,回答したほぼ全員が経口投与を選び,そのうち 6 割がアモキシシリンを選択していた.アモキシシリンの用量として,前版のガイドラインに準じて成人で 2.0g としたのが 2 割,小児で体重 1 kg あたり50 mg としたのは 1 割にすぎなかった.また,予防投与の決定をするうえで参照するものとして,ガイドラインをあげたのは約半数にすぎず,今後ガイドラインを歯科医師へ広く啓発していくことが必要と考えられた
高リスク患者に対する予防投薬
感染性心内膜炎の高リスク患者に対しては
スケーリングや感染根管処置も予防投薬を強く推奨するレベル
であることを注意するべきである。
それに対して抜髄は予防投薬は特に必要が無い。
菌血症になるリスクを考えて投薬しろ、ということなのだろう。
抗菌薬の選択
経口抗菌薬については従来通りアモキシシリン(サワシリン)2gが第1選択と考えられる。
ただし、今回は一番下に注釈がついている。
なんらかの理由でアモキシシリン 2 g から減量する場合は,初回投与 5~6 時間後にアモキシシリン 500 mg の追加投与を考慮する
サワシリン2gというのは8錠なんでなかなか全部一気に飲めない人もいるということなのかな?
また、2g出したら薬局から疑義照会来た、という残念な話もあり、それ対策なのかもしれない。
初回投与5~6時間後にアモキシシリン2錠追加。
最終的に血中濃度が一定時間一定以上持続すればよいのであって、絶対2g術前1時間に飲まないといけない、というわけではないのだろう。
菌血症になっちゃう時
これ、一番びっくりしたんだが、何でも菌血症になっちゃう。
咀嚼してるだけで38%菌血症になっちゃう。
いや、これ歯科処置じゃないやん・・・。ご飯食べてるだけやん。
ブラッシングでも23%菌血症
つまり感染性心内膜炎の高リスク患者は相当口の中が綺麗な状況に保たれてないといけない、ということになる。
ブラッシング指導とかPの管理はかなり気合いいれろーという事なんでしょう。
リスクの判定は?
高リスクか否か?という判定は歯科医師には無理だろう。
循環器系のDrとのコンサルテーションが必要かと思う。
低リスクであれば予防投薬はよっぽどのことがない限り行う必要は無いだろう。
それでもどっちかよく分からない場合はもう予防投薬した方がいいんだろうね。
最後に
とりあえず歯科医師も4年生以上の学生もまだ読んでない方はダウンロードして51ページから必ず読んでおきましょう。
ガイドライン知らずに治療して何かあったら大変ですからね。
とりあえず生存確認はここまで・・・・。
お休みしてる間に歯科クラスタの中でプチ祭りになったのが週刊ダイヤモンド。
結構調べたな、という所と、これ間違ってるやんという所がある。
歯科大学のカースト一覧図みたいなのが載ってて、これを読んだ歯科関係者以外が信じちゃうかと思うと結構恐ろしい図になっている。