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こんなコメントを頂きました
首都圏某国公立大人文系4年、センター80−85%、二次試験偏差値60−65の大学所属 家業が歯科医院です。現在大学4年生で某民間企業より内々定、先日、某自治体公務員試験合格しました。家業は前述の通り歯科医院で両親で医療法人として複数医院を経営しております。夏休み中に帰省の際に、両親より歯学部に卒後、進学してみてはとの話がありました。理由は後継者がいないのこと、法人化しているのでとのことです。具体的には地元の国立大及び公立大歯学部に再受験または私立大学への編入です。手に職をという意味でやや興味があるので対象大学の赤本を立ち読みしました。国公立大の歯学部については難易度は国公立の割には他学部(理学部など)と比較するとやや容易だと感じました、理系科目は難しいですが。ただ、今から勉強して一般入試ではさすがに無理がある。一方、私立大学は数校が1冊になっていましたが、公務員試験よりも極めて容易で自然科学系の科も容易でした。情報収集のためにググったらこのブログを見つけて記事を読ませていただきましたが、国家試験合格までの道のりはかなり厳しいとの認識を受けました、特に私立大学に関しては唖然ととする記事もちらほら。公務員を蹴ってまで浪人などするのは今までの努力が・・と思います。ブログ主さんの上記の内容を踏まえた上での客観的なレビューを頂きたいです。また、歯科医に大切だと考えられる手先の器用さは致命的にないと思います。しかも左利きなので右利きに今さら矯正しないと難しいとも両親より助言はいただきました。
さて・・・・なかなか難しい質問だ。
情報の整理
大学4年生(文系) 就職内定済み
実家が歯科医院複数経営(法人)
偏差値だけみれば国公立狙えるレベルだが理転必要
左利き
手先の器用さは致命的にないという本人評価
色々考えてみたが、まず言えるのは
両親が話をするのが遅い、ということだろう。
この時期では流石に選択肢が少なくなってしまう。
就職活動が終わるのを待っていた、という風に好意的に解釈できるが残念だが国公立の編入試験はすべて終了してしまっているようだ。
歯学部に行くとすれば一般入試または私立の編入試験ということになるだろう。
他大学を卒業してから歯学部に来る人はまあまあいる。
医学部ほどじゃないだろうけど。
歯学部を受験する・・・とすれば
あえて、歯学部を受験してみる気になったとしよう。
スケジュール的には
①私立大学の編入試験
②センター試験
③私立大学の試験
④国公立大学の二次試験
と言う順になるのではないかと思う。
歯科医院複数経営ということなのでお金の心配はない、という解釈でいいだろうか?
つまり、特待生で学費を抑える必要は無く、金は多少かかろうが、可及的迅速に歯科医師になる、というのが目標でいいのか?ということだ。
私立大学では格安の特待生の制度を設けている所が多いが、これは普通の試験、またはセンター試験活用型を受験して1年から入学する必要があるようだ。となると最低でも6年間かかる。
編入してしまったほうが短縮できるので年数的には有利だ。
私立歯科大学の編入試験
私立歯科大学編入に関する資料↓
https://seiko-lab.com/whats/topics/shigakuT.html
ネットにあったのでリンクを貼っておく。
もう調べているとは思うが、英語と小論、面接だけ、という大学も多く、これなら理転の必要性はない。
殆どの大学は2年からの編入になる。
まあ教養は1年だけでそこはパスできますよー、ということだろう。
ここで昭和か東京歯科あたりに滑り込めれば5年で歯科医師になれる確率は結構あると思う。
昭和は文系からすると学力テストがちょっと厳しめ。
日程的に厳しいがまずここに全力投球してみるとよいのかもしれない。
まあ、いつも資料出しているけど、私立ならやはり東京歯科の国家試験までの安定度は凄い。昭和は平成30年は悪かったけどコンスタントに60%以上あるし、学費が安い。
センター試験→試験
もし編入試験に合格できなかった場合、またはセンターよりも後ろにある編入試験も受ける場合、センター受験はマストだろう。
国公立を狙うなら当然だし、私立でもセンター活用型があるわけだし。
この結果で国公立に合格できそうかどうかがわかってくる。
正直、国公立に合格できるならどこでも御の字だろう。
ほぼすべての大学でストレート合格率は私立を圧倒する。
学費も勿論私立と比較すれば抜群に安いし。
私立大学のセレクトについて
正直に言うと東京歯科、昭和の安定感と他大学ではかなりの差があると考えてよいと思う。特に東京歯科は歯科医師になる、という点ではずば抜けた存在。
勿論、上記2校に行ったら安泰、などということはないし、偏差値60以上あるなら他大学に進学したとしても合格できる地力はある。
東京歯科の長所は国試合格までのシステムがしっかりしているところである。最短で歯科医師になる、私立大学で、ということならやはりファーストチョイスは東京歯科になると思う。
ただし、文章にも書いているが地元という文章があるので、東京歯科ではない大学への進学を考えている可能性がある。特に公立・・・がある地元ってあそこしかないわけで、私立もあそこしかない。私としては6年ストレート合格率が40%を切る大学への進学はあまりおすすめしない。
その理由は
①学生の質の幅が広すぎる
下位の学生の学力レベルは崩壊しており、それがもたらすクラスの雰囲気で上位入学組も下位方向へ引っ張られてしまう。
②教育システムの欠陥
常に負け組、というのはなにかしら欠陥があるのにそれが放置されてる証拠。それを適切に修正できない大学に入るリスクは結構高い。
③国家試験合格率の低さ
いくら成績上位でも安心できない。卒業さえできれば80%ぐらいはうかるよ!という信頼感は無く、下手をすると6年生で上位3割にいても落ちる。
④一度国家試験に落ちると多浪する罠
多浪のリピート性は以前も指摘している。1,2浪でなんとかしないと永遠の歯に詳しいだけの人になる可能性がある。
この中で上位1割ぐらいの成績を維持できる自信があるなら、ストレート合格率が低い大学に進学しても大丈夫とは思う。
が、それでもいっておくがあそこはおすすめしない。
どうしてもそういった大学にいかなければいけない、というのなら強い意志と覚悟が必要だ。
今回は歯学部に入って可及的速やかに歯科医師になることが目的であると解釈しているので、学閥等は全く考慮していない。
不器用さ、左利きについて
不器用さについてだが、致命的に不器用な人以外はなんとかなる。
要は訓練。
私も自分が特に器用だと思った事は全く無い。
常に知識をブラッシュアップして技術的なトレーニングをしていけばよい。
普通にプラモ作れるレベルなら大丈夫と思う。
自分は不器用、と思っている人の方が努力する傾向は高いと思う。
左利きについてはこれは私はなんともいえない。
私が知ってる左利きの先生は右左両方使える人が多いので・・・・
左利きの現役歯科医の方、コメントをお願いします。
法人の開設者として経営メインというなら自分がそこまで派手に治療する必要があるのか・・・ないのか・・・そこら辺が文章からはよく分からない所ではある。
断るという選択肢
今から歯科大学受けて合格、臨床研修したらストレートにいったとしても30歳前ぐらいかな。
結婚なんかもその後、ということになるだろうねえ。
まあ遅すぎる、ということない。
だからといって再受験をおすすめしているわけでもない。
断ってもいいと思う。
就職も決めてもうここまで来て今更?という感じもあるだろうし。
今から受験して・・・学生して・・・研修医もして・・・というのを想像してみるとよい。
しかも学生生活は文系よりも遙かに長く厳しい。
国家試験に合格できなければ今までの学生生活はすべて無意味・・・な専門学校。
今の学業レベルなら国家試験までの道はそれほど問題無いと思うが、自分が歯科医師を本当にやってみたいかどうか、をもう一度考えてみた方がいい。
やっぱり自分には向いてないというのを今決めるのは難しいが、両親のやっていることを何十年も続けてできそうかどうか、を想像することは難しくないだろう。
(まあそれは就職内定先にも言えることだが・・・)
勿論、歯科医師になって法人の理事長に収まることができれば、国家公務員になるよりは収入が期待できると思うし、だからこそ親も勧めているのだろう。
新規開業するリスクは歯科の場合かなり高くなっている。
単に学卒理転で新規開業なら、やめておいた方が・・・という風に書いたかもしれないが、地盤(しかも複数医院)を受け継ぐ、というのなら、まあ迷ってもおかしくないと思うし、私だって悩むだろう。
受験する、と伝えたら親の期待は最大限にまで膨らんでしまう可能性もある。
おお、歯学部行ってくれるか!的な。
揺れ動いているなら何か条件を設定した方がいいのかもしれない。
国公立、東京歯科、昭和以外はいかない、浪人してまでのトライはない、とか、そういう条件。
親の期待に応える、というのもまた人生だが、
自分が本当にそれでいいかどうか、
はご自身の判断にお任せしたい。
コメント募集
同じ様なシチュエーションを経験された方のコメントを募集しております。
理転して歯学部へ
学卒で歯学部へ
編入組
左利き
親に言われて断った人(これは難しいかな)
等々・・・
私は私1人の人生観でしか物事を解釈できませんし、アドバイスできません。多くの方の建設的なご意見をお待ちしております。
本日、北海道で震度6の地震があり、被災された皆様の無事をお祈りいたします。
全域で停電しており、復旧にはある程度の時間が必要と思われます。
歯科医院も何日か閉めざるを得ないかもしれません。
まず身の回りの安全を確保しましょう。
食料、燃料、携帯のバッテリー確保が重要かと思います。
冷静にスタッフの安否等を確認しましょう。
参考資料
今年度の最新資料
昨年度までの資料