(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 

第114回歯科医師国家試験の総括

 

114シリーズ最後のブログ

第114回歯科医師国家試験のシリーズもこれにて終了となる。

来月からは115へ強制的に切り替え

115から出題基準が変更されるはずだったのだが、コロナの関係かなんなのか、出題基準の変更は116へと先送りされた。

115は114と同様の出題基準が適応されると考えられる。

 

国家試験合格発表当日に書いたブログについては以下を参考のこと

 

合格率

合格率の推移を以下に示す。

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107から3年間は63%だったが、110以降は112を除いて65%付近の合格率となっている。

以前よりもわずかに甘くなっているといえるだろう。

3000人受験すれば、1%違うと合格者は30人違う。これでギリギリ助かった人もいるだろう。

この感じだと、今後も64%台ぐらいの合格率が維持されるのではないかと思う。

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合格率(表)推移

現役

国公立現役と私立現役の合格率がの差がかなり圧縮されてきているのは注目点である。

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現役合格率比較

107では国公立現役と私立現役の合格率の差は歴然で15.9%もあった。

また思考力を問われるようになった111からの新基準においても国公立はその強さを発揮し、私立現役との差は10%以上引き離していた。

しかし、114ではもう4.6%しか差がない。

私立現役の合格率は107→114で10%も上昇している。

国公立現役の合格率のダウンと、私立現役の合格率アップの相乗効果と考えられる。

 

私立大学の留年休学者率は年々上昇しており、 CBTの合格率基準も上がる一方である。

6年生の国試対策の講義は多くの大学で4月から徹底的にたたき込まれる。

卒業試験で多量に落とされる大学も多く、卒業できた人達の国試へのチューニングレベルはかなり高い。

 

一方、国公立大学は基本的に放置プレーである。

通常なら臨床実習が夏~秋まであり、そこから3,4か月リリースされ国家試験の対策を各自で行う。

今年はコロナの影響で臨床実習が殆どできなかった大学もあるようだが、それが国家試験にどれだけ影響したかは定かではない。

どちらにしても国公立の学生は私立に比べて知識量では絶対に勝てない。

しかし、思考力を問う問題では元々の偏差値の高い国公立の学生の方が有利である。

今回の114では、国公立現役の学生レベルの思考力を超えた問題や、結局知らないと解けないような問題が出題されたため、国公立現役にはそれほど有利にはならなかったと考えている。

この出題傾向が続くようなら軽装備の国公立現役を完全武装の私立現役が食っていく可能性も0ではない。

 

 

浪人 

今回合格率を大幅に下げたのが、浪人である。

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浪人の合格率は新傾向、問題の難化に対して非常に敏感。

出題傾向が変わった年なども合格率が下がる。

特に最近の思考を問われる問題に対しての相性は悪い。

難易度が高かった112と114での浪人の合格率が36.9%と過去最悪な数字なのが実証している。

 

114での卒業年次別の結果を以下に示す。

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114卒業年次別合格率

113での結果と比較してみると一目瞭然である。

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113卒業年次別合格率

113では1浪は61.5%、2浪は46.5%合格していたが、

114では1浪は55.8%、2浪は33.2%となっている。

4浪以上の合格率はそれほど変わっておらず、1浪から3浪の合格率低下が著しい。

113では2浪まではまだ現実的な合格率であったのに対し、114では2浪から3人に1人しか合格できず、すでに現実的な合格率と言い難い。

この傾向が続くようなら、1浪でケリを付けない場合、多浪スパイラルを一気に滑り出す事になってしまう。

2浪以上は非常にリスキーな状況になってきていることに注意してほしい。

 

1浪でケリをつけることが大事。

すでに多浪の人は、今すぐにケリを付けることが大事。

ちなみに後述するが3浪以上から諦める人が普通に出てくるからね。

1人、1人、同士が減っていく事は最終的に自分もそうなるかもしれないと言うことを意味している。

 

男女差

性差は明確であり、女性の方が確実に合格率が高い。

統計とっても絶対有意差出るレベル。

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性別合格率

合格者の男女差は年々縮小しており、今年の女性比率は44.5%となっている。

某KO(仮)みたいに学生全体の女性比率が50%を越えている大学もあるので、将来的に歯科医師国家試験合格者の男女比が50:50になる日も遠くないだろう。

 

なお、これが歯科医師削減の最も効果的な方法であるという事をいう人がいるんだが、私は特に考えを持っていないし、実力差通りに学生を選抜している結果がこれなんだから、これでいいと思っている。

 

全体的な人数の推移

全体的な人数の推移を以下に示す。

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歯科医師国家試験人数の推移

受験者数

出願者数、受験者数共に107~114では最大となった。

私立現役の増加+減らない浪人

が受験者数増加の原因と考えられる。

 

私立現役の6年生の数は全ての大学が公表しているわけではないが、一応私が集めた数からすると

112回   6年生総数 2064名 国試受験者数 1386名

113回         2091名        1374名

114回         2099名        1453名

となっており、6年生の総数自体は毎年殆ど変化がない。

114では国試受験を許可された学生が例年より多かったわけだが、これが1年だけの傾向なのか、今後も続くのかはまだよくわからない。

 

合格者数

合格者数は受験者数が2000人前後に固定された107以降で最も多い2123名となった。

おそらく受験者数の増加と合格率のバランスを考えてこういう合格者数になっているのだろう。

3280名も受験者数がいて2000人しか合格者がいなかった場合、合格率は61%となる。

厚労省はこういった低合格率にする気はないということは明確だろう。

 

出願者数ベースの合格率をみてみると3年連続で55%前半に収束しており、おそらく厚労省はここら辺が妥協点だと考えているのではないだろうか?

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出願者数ベースの合格率

115で出願者数が3800人を越えるようなら、115でも合格者数は2100人ベースと考えて良いだろう。

出願者数は大体マッチングの参加者数から予測できる。

113では3832名参加で国試出願者は3798名

114では3853名参加で国試出願者は3852名

となっており、国試出願者数と合格者数まで予想できるのではないかという仮説を立てている。

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マッチング

合格基準

合格基準であるが、これに関しては予備校や専門職の先生方が私よりも遙かに詳しいとおもうので、そちらの方を参考にして欲しい。

 

114の領域Bだが、総点は113と変わらない167点なのにボーダーは15点も下がっている。

他の領域も軒並み10点程度下がっており、114は異様に点数がとれていない試験だったことがわかる。

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削除問題は前代未聞の20問、必修が14問該当という意味不明な試験である。

ちなみに113は削除は12問。

今年は明らかに練度不足の問題が認められ、出題委員は猛省して欲しい。

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帳尻合わせるの大変だったろうね。

コロナの影響でブラッシュアップ不足という話もあるようだが、それ以前の問題。

国試をろくに知らない出題委員が多すぎるんじゃ?

 

来年はこうならないことを祈りたい。

最終的に相対評価なんだから、別に難易度上げる必要ある?

ひねりすぎて、識別指数ボロボロになった問題も多かったんじゃないかと予想する。

そういった問題をクソ問というよ。
   

 

予想との乖離

国試の数日前に受験者数をと合格者数を予想した。

この中で 

受験者数 3332±50

合格者数 2100付近

国公立現役 635

私立現役 1467

浪人 1230名

と予想している。

 

実際は

受験者数 3284

合格者数 2123

国公立現役 642

私立現役 1453

浪人 1181

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浪人を50人ほど読み間違えた以外はほぼ近似した予想ができていると考えられる。

私立現役の卒業者数を1月中盤から募集するという荒技が精度の向上に貢献した。

来年も同じ予想方法で行きたいと思う。

予想が国試直前になっちゃうんだけどね。

 

大学別の結果

今回の国家試験の結果を示す。

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浪人生

大学によって既卒の合格率が絶望的な事になっている所がある。

岩手医科大学は18名受けて2名しか合格していない。

奥羽大学は66名中12名

福岡歯科大学122名中27名

鹿児島大学、九州大学17名中4名 

などが目立つが、私の注目ポイントはちょっと異なっている。

多浪が溜まっている大学ほど合格率は悪くなると考えられる。

そういった意味で既卒の受験者数が多い大学は1浪や2浪が多いと考えられるため、受験者数が多い割に合格率が壊滅的な大学の方が危険である。

福岡歯科大学や朝日大学、鶴見大学、明海大学などが該当するだろう。

 

国公立現役

現役に関しては、すでに速報でも詳しく伝えているので、速報を参照して頂きたい。

国公立に関しては西の方の大学の合格率の悪さが際立っている。

徳島や長崎は慢性的に合格率が悪い傾向であり、6年生は注意が必要だ。

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第114回歯科医師国家試験結果速報(レイ) - (続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

 

私立現役

私立現役に関しても詳細は速報を参照してほしい。

第114回歯科医師国家試験結果速報(ユイ) - (続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

ここでは、速報では触れなかった所を書いていきたい。

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愛知学院と日大は6年生のほぼ全てを卒業させたのだが、明暗がくっきり分かれた。

粘った愛知学院と崩壊した日大。

日大は毎年殆ど6年生を卒業させるため、表の合格率は悪いが闇の合格率では上位だった。去年は闇の合格率で東京歯科、昭和に続く3位。

おそらく今年もそれを狙ったんだろうけど、完全にもくろみは外れた。

49名しか合格させられなかったわけで、兄弟校の日大松戸だって72名合格。

2014年に日大に入学したのは127名のようだ。

この結果は今後の日大の方向性に影響を与えるだろう。

 

反面、愛知学院はずるずると闇の合格率が下がっていたのだが持ちこたえた。

表の合格率≒闇の合格率なので、闇の合格率で計算すると一気に上位進出だ。

この大学はある程度の人数を毎年合格させられるだけの地力がある。

 

学費無料特待生受験初年度となった奥羽だが、成績は良いとは言えなかった。

特待生はかなり健闘したという噂もあるが、特待生だけ卒業させて受験させるわけにはいかないだろう。

もし、特待生が健闘してこの合格率なら一般の学生はもう悲惨な状況なんだろうね。

特待生が何人受験して何人合格したか情報を募集中である。

 

北海道医療大学は、入学時の偏差値からすると、毎年ある程度安定した合格率をはじき出しており、寒いのに耐えられそうならお勧めじゃないだろうか。

 

日大松戸は卒業保留やらないっていっときながら、最後に38名も卒業保留したときいている。来年度もやらないやらない詐欺が炸裂しそう。

朝日も毎年必ず卒業保留しているし、今年も切ってるのは間違いない。

 

日本歯科大学の最終的な学生数は闇のままである。

なぜなら6年生ではないのに、卒業試験を受験して合格すれば卒業資格を与えられ国試が受験できる聴講生というものが相当数いるらしいからだ。

私が把握できたのは卒業資格が与えられた聴講生の数であり、不合格となった聴講生の数は把握していない。つまり、まだまだゾンビみたいな人がいるということで恐ろしい。 

 

鶴見や福岡はある程度学生を絞ったにも関わらず合格率が悲惨な状況。

神奈川や日大松戸がなんとか粘ったのに対して、この2校はここ数年下位を突っ走っており、2トップといってもよい感じにまで先鋭化してきている。

 

114のまとめ

114の総括として

1 難易度の上昇は浪人を虐殺する。

2 出願者数、受験者数にあわせてある範囲内で合格者数の増減は操作される。

3 8年連続で合格者数2000人枠は維持された。

4 無装備の国公立学生が対応できない国試になりつつある。

5 まともに戦える浪人は1浪、ギリギリ2浪までだった。

6 私立の卒業は今までより甘かった。

7 合格者の女性比率は45%まで上昇 

8 私立の国家試験へのチューニングは効果がある。

 

卒業が甘かったのに合格率が上がっているわけだから、私立現役の国家試験へのチューニングは効果があるといわざるをえない。

ただし、10か月教室に缶詰にして知識をたたき込む方法が歯学教育として適切かどうかは私にもなんとも言えない所である。

勿論、歯科医師免許をまず取得できなければ潰しが効かない所であることは重々承知しているわけだが。

 

来年の浪人数

浪人数は予想が非常に難しい。

受験を諦めていく浪人、大学を裏で卒業保留で出される人がいるためだ。

 

今回の受験者状況をみていると、113から引き継がれた予想数と1浪、2浪はほぼ同じ数だが、3浪以降から諦めた浪人がある程度の数出てくる。

9浪以上では17名が諦めたようで、実際の受験者数予想よりは52名ほど減っている。

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浪人の受験状況

113でも60名ほどの未受験者だったことがわかっているため、浪人の受験者数はこの表を元に行うのがかなり精度が高そうである。

115からはこの表から浪人数を予想していくこととしたい。

 

115の浪人受験者数の予想としては

1161+各大学の卒業保留者数ー受験を諦める人(50~60名?)

という計算式になるので、おそらく114と同等かそれよりも多い浪人の受験者数が予想される。

116からの出題基準変更のために115を受験する人は多少多くなるかも?しれない。

 

私立歯学部新6年生へ

出願前に学生を間引く学校が多くなっているので、勝負は案外早い。

出願前に学生を切る大学の最下層は11月にさようなら

下手すると一学期終わった段階で休学した方がいいと打診してくる大学もあると聞く。

成績下位層の勝負所は自分が想像しているよりも遙かに早い可能性があり、気付いたら詰んでいる可能性だってある。

 

11月に1回卒業判定する、ということはそこまでに複数回卒業試験をぶっこんでいくわけで、早い人だと2学期早々ぐらいに実質卒業不可能な状況に追い込まれる(本人は気づいていないが周りはみんなわかってる)。

 

例えば3回卒業試験があるとすれば、最初の2回で勝負の70%ぐらいはつく。

最初の2回で大きな失敗をすれば、もう挽回できない。

 

1年かけて仕上げる、では駄目なのだ。

成績が悪い層や中間層は1学期になんとかしないと手遅れになってしまう。

 

単に歯に詳しい人になりたくなければもうやるしかない。

少しでも人より前を走る。

そう、今日からやるしかないのだ。

 

国公立新6年生へ

期待はしていないと思うが、教員、大学にあまり期待はできない。

つまり自分達でなんとかするしかない。

国公立では模擬試験受けないとか平気で言う人がいるが、やはり何回かうけて自分の立ち位置を把握した方がいい。

気付いた時には手遅れという事もありえるし、国公立は情報が少なすぎて間違った方向に勉強している人がたまにいる。

自己評価しない人、情報不足な人は落ちる確率が上がる試験。

敵の殆どは学外にいるんだぞ。

 

1つの領域で数点足りず落ちた人へ

確かに君は今年惜しかった。

しかし、今年の惜しかった成績+ちょっとした努力は来年の合格を保証しない。

国家試験は一定の傾向はあるものの同じ問題はでない。

今年と同じ成績が取れる保証すらない。

 

現役でわずかに足りずに落ちた人は、これで予備校にいけば完全に受かる的なプランを描く人がいる。

予備校は勉強の場を与えてくれる所であり、合格を保証してくれる所ではない。

去年1点足りなかっただけだから今年はスローペースでも大丈夫なんてことは絶対にない。

今年も死ぬ気でやらなければ、来年も足をすくわれるだけ、ということを理解していただきたい。 

そう、1浪した段階で合格できる確率はほぼ50%。

 

特に116からの必修へのX2の導入は、さらなる浪人生死亡フラグの可能性があるので、115で必ず受かる、ように勉強に精を出して欲しいと思う。

 

第114回歯科医師国家試験関連