医師会、歯科医師会の事業
8月下旬よりみんなで安心マーク事業が展開されることになった。
これは一定の感染対策ができている医院に対して行われる承認事業ということになる。
申請は日本歯科医師会専用ページが用意され、そこでチェックリストに全部チェックが入れば貰えるという自己申告制である。
チェックリスト
チェックリストは以下の通りである。
https://www.jda.or.jp/dentist/anshin-mark/pdf/check.pdf
これに全てチェックが入ればみんなで安心マークが貰えるようだ。
しかし、日本歯科医師会はガイドラインも策定しており、このガイドラインも遵守する必要がある。
新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン
https://www.jda.or.jp/dentist/anshin-mark/pdf/guideline.pdf?v01
新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン
ガイドラインをよむと至極当たり前の事が書いてある。
重要な所はここである。
空間噴霧は駄目と明確に書いてある。
なお、いわゆる「空間除菌」と称する消毒薬を噴霧する感染対策は推奨されない。
各種消毒薬については、医学的な根拠に基づく効果を確認することが重要である。効果のない感染対策を信じることは、感染対策の逆効果となるため、絶対に避けるべきである。また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の人がいる空間への噴霧については、目や皮膚に付着したりすると危険であり、噴霧した空間を浮遊する全てのウイルスの感染力を滅失させる保証もないことから、絶対に行わないこと。
また、おそらくだが、次亜塩素酸水による清拭などもこのガイドラインでは外されており、それも認められていないと考えた方がよいだろう。
つまり、次亜塩素酸水を噴霧したり、それでユニットを清拭しているなどを売りにしている歯科医院はこのガイドラインを遵守していないということになりそうだ。次亜酔歯科医師の皆さん、お疲れ様(笑)。
日本歯科医師会のお偉いさんに確認したいのだが、次亜塩素酸水噴霧、清拭などをサイトでアピールしている先生はこの安心マークは貰えない、ということでしょうか?
歯科医師会会員専用?
実は医師会の方は、医師会会員以外にも発行可能となるようだ。
しかし、歯科医師会は日本歯科医師会会員専用ページからしか申請できないわけで、歯科医師会の非会員にはこのマークは与えない方針?なのではないかと思う。
このマークを貰ったら宣伝し放題?
このマークを持っているということを広告することは実はOKだが、何でも宣伝して言い訳ではない。
今の状況でも、歯科医院でコロナにかかるリスクがほぼない、とか感染対策は万全とか記載している歯科医院のサイトは多く存在する。
厚労省から通知が出た。
熊本県のサイトに載っていた。
新型コロナウイルス感染症を踏まえた医療広告の取扱い / 熊本県
これをみると
医療機関等は、広告にあたって認証機関による認証マークを活用して差し支えないが、例えば、以下については、虚偽広告又は誇大広告として医療法違反であり認められない。
・ 自己点検により全てのチェック項目等を遵守出来ていないことを認識しながら認証マーク等を掲示すること。
・ 認証の有無に関わらず、「医療の安全を保障します」や「万全の安全管理体制」等と表示すること。
・ 認証マークに添えて、「当院は感染対策が万全であり絶対に感染しません」など事実を不当に誇張して表現し患者を誤認させるような表示を行うこと。
と言う記載があり、
認証マーク自体を広告することは良いが、自院の感染管理体制を偽ったり、誇大に表現することは駄目、ということになった。
万全の管理体制、などという表現も駄目ということになったので、注意頂きたい。まあ、今の時点で記載している医院がこれを守るかどうかはペナルティがあるかどうかになりそうだが。
最後に
こういった認証がどこまで実効性があるかは私にもわからないが、最低でもこのマークを掲示するという事は、チェックリストやガイドラインに目を通して遵守します、という姿勢を明らかにすることなので、縛りを課せられることになるのかもしれない。
効果が不明な感染対策をアピールする医院に縛りをかけることが、医師会や歯科医師会、厚労省などの意図するところではないかと思った次第である。もしそれが真の目的なら歯科医師会も非会員への開放を検討した方が良いのではないだろうか。
まあ、どちらにしてもこのマークを悪用する医院が出てこない事を祈りたい・・・(絶対いると思うけど)