(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 

歯学部状況解析2022入学版(私立)(北日本編)

 

恒例の季節だが

私立大学の現状を国試の成績や入学者数、留年率などの状況から把握する毎年恒例のシリーズ物。

北の方、関東、それ以外の3回で毎回お送りしている。

ここに書いてある語句が分からない場合は 

を参照していただきたい。

というか初めて読むならまずこの用語解説を読まないと、設定された項目が何を意味しているかわからない。

表の見方 

1 表合格率の赤字は全国平均以下、青字は全国平均以上

2 6年生の実数は1学期の人数。?が付いてないのは大学HP公表のデータ。?は独自収集で信頼度は下がる。

3 出願者数ー受験者数は出願後に留年または卒業保留になったであろう人数

4 浪人受験者数が前年の不合格者数合計より遙かに多い場合は前年卒業保留確定

5 補正合格率=合格者数/志願者数 表の合格率=合格者数/受験者数 闇の合格率=合格者数/6年生実数

6 補正合格率順位:私立大学(17校)内での順位

7 6年ストレート合格率は最短の6年で国家試験に合格した割合

なお、偏差値については2021/9/20現在の河合塾の偏差値を採用している 

偏差値については今後変動する可能性がある。 

なお、今年は文科省から毎年発表されるデータが9/20現在公開されていない。そのため、入学試験の成績などは独自調査した数字を採用し、それでもわからない所は空欄とした。受験データに関しては大学によって公表されていないデータもあり、今後文科省の発表するデータと数字が食い違う点がある可能性についてはご了承いただきたい。

なお、文科省がこの私立シリーズが終わるまでにデータを公開しても、評価の中立性を担保するために、数字を途中から反映することはない。

有料noteに関しては全てのデータが出そろってから書きたいと思っているが、文科省の公開があまりに遅ければ空欄で出さざるを得ない状況である。文科省さん仕事してほしい。

 

数字や内容に間違いがあれば、コメント等で指摘してただけると有り難い。

 

北海道医療大学

偏差値:35.0 (前年度35.0)

募集人員80名 定員120名

学費:6年総合 2460万+42万円+教材費185万円程度 

特待生数:5名程度(国公立並の学費)+5名程度(1245万+教材費)

R1年度入学試験:受験性416名 合格者数354名 倍率1.18 入学者数83名

R2年度入学試験:受験者431名 合格者数339名 倍率1.27 入学者数78名

R3年度入学試験:受験者341名 合格者数279名 倍率1.22 入学者数57

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北海道医療大学

1)国家試験合格率の推移

 ここ数年は比較的優秀な成績をキープしている。4年連続で表の合格率は全国平均を超えているが、特筆するべきなのは優秀な6年ストレート合格率である。ここ2年は50%を超えている。

 対照的に浪人の合格率はかなり悪いので、6年で一気に歯科医師にならないと多留の闇に飲まれる可能性がある。

2)6年時の学生の処遇

 以前は高い留年率でなんとか表の合格率をキープしようとしていたが、最近は留年率を比較的抑えつつも高い国試合格率をたたき出せるようになっている。ここ2年間で卒業できなかったのは30%未満である。卒業保留や出願前留年は基本的に行われていない。

3)入学進級の難易度

 入学時の偏差値は35、倍率も1.2倍程度と入学は非常に容易である。全体的な留年・休学者の割合は25%程度で、私立の平均をやや上回る程度である。

 3,4,6年で落ちる可能性が高い。4年生までで40%程度が留年休学しており、低学年からある程度落ちる事は注意が必要である。

しかし、以前は6年生の留年休学者の割合は60%を越えるレベルであったが、現在は40%を切るレベルにまで下がってきており、それでもこの大学の留年休学などの状況は改善してきている。

4)総評

 ずっと定員割れに苦しんできたが、台湾などから留学生をいれて埋めるようになってから定員はほぼ充足している。

 入学の容易さと偏差値を考慮するとかなり国家試験の合格率は優秀である。以前は留年率がかなり高かったが、ここ数年でそれも改善しつつある。

 以前よりも確実に6年で歯科医師になれる確率は上がっており、学費の安さと合わせて考えるとお勧め度は高い大学である。問題は立地だろうか。北の大地を敬遠する人も多いだろう。後は休みが凄く少ないとか?

 

岩手医科大学

偏差値:42.5 (前年度42.5)

募集人員57名 定員80名

学費:6年総合 2760万+40万+教材費?(前年度と変化なし) 

特待生数:あるが、それほどの減額にならない

R1年度入学試験:受験者数124名 合格者数109名 倍率1.14 入学者数50

R2年度入学試験:受験者数147名 合格者数122名 倍率1.20 入学者数59

R3年度入学試験:受験者数88名 合格者数83名 倍率1.06 入学者数40

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岩手医科大学

1)国家試験合格率の推移

 以前はずっと全国平均を下回る合格率で全国最下位だった事もあるが、ここ3年は表の合格率は全国平均を越えており、ある程度優秀である。113回では表の合格率97.1%と全国でもトップクラスの成績となった。 6年ストレート合格率は一時期30%を割ったが、最近は40%以上を確保できており、改善傾向を認める。

 浪人の合格率はよいとはいえないので、卒業したらそのまま国試を押し切る形が好ましい。

2)6年時の学生の処遇

 6年での卒業保留や出願前留年などは行われていない。純粋に卒業試験の結果で留年させているようだ。留年率は以前は40%を越えていたが、現在は30%程度まで下がってきている。ただし、これ以上下がるかは微妙なところ。大学全体の留年休学者の割合がかなり高い事から、今後6年での留年率が再度上昇してもおかしくはない。

3)入学進級の難易度

 定員割れを慢性的に引き起こしており、受験者数の減少も深刻なレベルである。入試倍率はほぼ1倍であり、入学は容易なレベルだろう。

 問題は入学後の留年休学者の割合の高さで全国でもワーストクラスの35%程度となっている。この大学は低学年から結構落ちて、3年生ですでに留年休学者の割合が40%を越えてしまうので、底辺層は低学年で引導を渡される可能性が高い。 

4)総評

 受験者数が100名を割ってしまい、深刻な状況である。ある程度国家試験の成績をあげているにも関わらずこの状況ということで、学費を下げる等の決断をしないと今後ジリ貧になってしまう可能性もありそう。

 入学は容易だが、留年休学者率はかなり高い。上位4割程度が6年で歯科医師になれるわけで、下5割が2年生から過酷な留年レースに参加することになる。つまり上4割を死守できそうかが入学時の判断基準となる。まあ、偏差値50近くあれば・・・というぐらいだろうか?学費は2800万で納まらない可能性は考慮しておくべきだろう。

 留年レースに打ち勝ち卒業できれば国家試験の合格率は比較的高い。北東北に1つしかない歯科大学であり、東北出身者にはお勧めできるレベルである。

 

奥羽大学

偏差値:なし (前年度なし) 特待生なし(前年度42.5)

募集人員96名 定員120名

学費:6年総合 2150万+10万円+教材費220万

   特待生は学費は0円だが入学金や実習費は必要

特待生数:30名

R1年度入学試験:受験者数182名 合格者数131名 倍率1.39 入学者数44名 

R2年度入学試験:受験者数216名 合格者数148名 倍率1.46 入学者数45名 

R3年度入学試験:受験者数203名 合格者数134名 倍率1.46 入学者数42

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1)国家試験合格率の推移

 国家試験の合格率は全国で下から1番か2倍あたりが特等席で、自分が観測し始めてから一度も全国平均を越えたことはない。しかし、113,114と国家試験の成績は急激に上昇している。特に今年は70%手前まできているが、それは特待生が国家試験を受験し始めたからである。

 今年、特待生は高い確率で国家試験に合格できたが、それは一般入学の学生の合格率の悲惨さをより強調する結果にもなっている。

 浪人は相当悲惨な合格率で、クモの糸といってもよい位だろう。

2)6年時の学生の処遇

 6年時の処遇は基本的に留年であり、卒業保留や出願前留年は行っていない。クラスの30%ぐらいが卒業できない。特待生ではない一般入学や編入で入ってきた学生の留年率はかなり高いと考えられる。

3)入学進級の難易度

 去年までは特待生に偏差値42.5がついていたが、それもなくなり、奥羽大学歯学部には偏差値がついていない。入学者が毎年大幅な定員割れではそれも仕方が無いだろう。そのため、入学自体は容易である。

 留年、休学者の割合はここ数年で低下して10%台後半ぐらいで私立の平均よりわずかに低いぐらいである。低学年で留年するリスクはあまりなくCBTのある4年と6年時の留年率がやや高い。

4)総評 

 入試倍率はそれなりについているようにみえるが、特待が引き上げているだけで一般はほぼ1.0倍である。特待生すら2倍~3倍ぐらいしかない。特待生以外の入学は全くお勧めできない。ただ、特待の権利を維持できず退学していった学生もいる事には注意が必要だ。

 途中から他大学を退学になった学生がわんさか編入で入ってくるので、クラスの雰囲気とかそういうの気にせず我が道を行く人の方が向いてると思う。

 一般での入学は容易だが、歯科医師への道のりは容易ではない事を理解するべきである。残念ではあるが、どうしてもお金がなくてこの大学の特待にかけるしかない人以外にはお勧めできない。

 

日本歯科大学新潟生命歯学部 

偏差値:42.5 (前年度42.5)

学費:6年総合 3138万円+15万円+教材費?(変化なし)

募集人員70名 定員120名

特待生数:入学試験上位25名が半額

R1年度入学試験:受験者数341名 合格者数224名 倍率1.43 入学者数65名 

R2年度入学試験:受験者数372名 合格者数222名 倍率1.68 入学者数75名 

R3年度入学試験:受験者数255名 合格者数171名 倍率1.49 入学者数58名 

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1)国家試験合格率の推移

 112と114では表の合格率は90%を越え、補正合格率も考えると大変優秀に見える。しかし、この数字は出願前留年で偽装された合格率であり、過度な信用は禁物である。

 表の合格率が高いわりに6年ストレート合格率は30%台の事が多く、後述するが卒業するまでに多くの学生が躓いている事がわかる。

 浪人の合格率は過度に悪いわけではないが良いという程でもないので、浪人は避けた方がいい。

2)6年時の学生の処遇

 前述したとおり、国家試験出願締め切りである11月の前に一度卒業判定を行い、その時点で下位1/3ぐらいが留年する。その後1月の最終卒業試験で少し落ちる。実質的に30~40%学生を絞っており、そうやって選ばれた学生の国試合格率は高い。

3)入学進級の難易度

 倍率は1.5倍未満で偏差値42.5、ここ3年で2回定員割れしており、入学自体の難易度は低い。今年は受験者数も大幅に減っている。

 問題は入ってからの留年休学者率の高さである。全国でも3本指に入るレベルであり、しかもさらに毎年上昇している。話に聞くところ、再試験が設定されない一発勝負の進級試験などが多数存在しているようだ。低学年からどんどん留年するので注意が必要だ。 

4)総評

 国家試験の数字を意図的に偽装しており注意が必要である。6年ストレート合格率から上3割をキープしないと6年で歯科医師になる事は難しい。

 学費も留年休学者率も高いため、追加の出費が高確率で必要となる。低学年からバシバシ切られるので、退学で次の道を探さないといけない学生もいるだろう。再試なしとなれば、ある程度の成績でも何かの間違いで落ちる可能性がありリスクが高い。コスパは最悪レベルといっていいだろう。

 正直にいってわざわざこの大学を選択する強い理由はない。どうしても日本歯科という看板を背負わなければいけない人以外にはお勧めできない。

 

まとめ 

1.留学生で充足している北海道医療大学を除く全ての大学で深刻な定員割れである。

2.全ての大学で受験者数は減少しているが、特に日本歯科大学新潟生命歯学部の減少が明確である。

3.奥羽大学の合格率上昇は特待生が卒業して受験し始めた事による。

4.北海道医療大学は偏差値の割に国試合格率が高く学費も安い。

 

次は関東編

spee.hatenablog.com

 

追記(有料note)

文科省からデータが公表されたため、最新のデータを導入してブログを大幅に内容拡充して有料noteとして書き直した。

私立歯学部の受験を考えている受験生、父兄用である。

特に親が歯科医師の場合、必ず親と一緒に読んでもらいたい。

note.com

4つのブログで構成されており単品では980円(1校200~250円)。4つのブログをセットでお買い上げ頂くと17大学で2800円(1校160円)。

 

参考資料

文科省から最新のデータが公開されていないため、去年までの公開データ、独自調査データなどを組み合わせている。

第114回歯科医師国家試験結果速報(ユイ) - (続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

歯学部状況解析2021入学版(私立)(北日本編) - (続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

などを参照のこと。