(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 

歯学部状況解析2021入学版(私立)(中部・西日本編)

 

 

 

西日本は私立が少ない

関東に大学が集中しており実は中部・西日本に私立大学は少ない。

その分国公立大学が西日本には多くなる。

勝ち組と負け組が明確してきているが、なんとも言えない微妙な立ち位置の大学もある。 

学費を上げた愛知学院大学は予想通り受験者がかなり減った。

 

北日本偏はこちら  

関東編はこちら 

 

使われている用語の説明

初めてならこの用語解説を読まないと内容がさっぱりわからないので、まずこちらに目を通して頂きたい。

 

また最新の学費に関しては以下のリンクを参照   

 

去年から変更された大学が少しある。

表の見方 

1 表合格率の赤字は全国平均以下、青字は全国平均以上

2 6年生の実数は1学期の人数。?が付いてないのは大学HP公表のデータ。?は独自収集で信頼度は下がる。

3 出願者数ー受験者数は出願後に留年または卒業保留になったであろう人数

4 浪人受験者数が前年の不合格者数合計より遙かに多い場合は前年卒業保留確定

5 補正合格率=合格者数/志願者数 表の合格率=合格者数/受験者数 闇の合格率=合格者数/6年生実数

6 補正合格率順位:私立大学(17校)内での順位

7 6年ストレート合格率は最短の6年で国家試験に合格した割合

なお、偏差値については2020/09/26現在の河合塾の偏差値を採用している 

偏差値については今後変動する可能性がある。 

松本歯科大学

偏差値:40.0 (前年度40.0)

学費:6年総合 2736万+教材費292万(教材費高い) 

募集人員96名 定員120名 

特待生数:5名、入学時のみ減免10名

H30年度入学試験:受験者数211名 合格者数173名 倍率1.22 入学者数89

R1年度入学試験:受験者数160名 合格者数148名 倍率1.08 入学者数85名 

R2年度入学試験:受験者数259名 合格者数205名 倍率1.26 入学者数97名 

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1)国家試験合格率の推移

最底辺を独走していた10年前から奇跡の跳躍を経たが、113でやや暗転である。112までは留年率を下げながらも表の合格率、6年ストレート合格率を維持した。112では69名合格という過去最大レベルの合格者数を出した。

立ち位置としては私立歯科大学では中位集団の中にいると考えて良いだろう。

しかし、113では6年生の50%程度を留年させて学生を絞り表の合格率を上げたが、合格者数は42名。ある程度学生を出しつつ合格率をキープできていた111、112とは違いあまり良い状況とは言い難い。実際6年ストレート合格率も113では31%まで低下してしまった。

今年の6年生は112と同等数存在しており、ある程度の割合が留年生である。今年の学生の絞り方や国家試験の結果次第で評価を改めなくてはいけない可能性がある。

浪人はかなり厳しい戦いであり、現役での合格を強く意識するべきである。

2)6年時での学生の処遇 

1)に記載したとおり、112まではある程度留年率を下げつつ合格率をキープする事ができていたが、113では50%弱留年である。

109、110でも50%程度留年させており、留年させる年は40~50%は留年すると考えた方が良い。

113の留年生がスライドした今年もある程度留年させざるを得ないのではないだろうか。

出願前留年や卒業保留は行っていないと思われる。

3)入学進級の難易度  

偏差値は40で倍率は1.2倍程度しかなく、特待生以外での入学は比較的容易である。

留年休学率は私立の中でもかなり高い方で31%を超える。2、3、6年生あたりが落ちやすい。

特に6年生の留年休学経験者の割合は50%を超えており、6年で終わらない可能性が高い大学であることは認識するべきである。

4)総評 

学費を大幅に下げ特待生も作り優秀な生徒を獲得して国試の成績を向上させた後に、学費を大幅に戻し特待生の枠も減らした。松本という立地も含めて学生集めには苦労しているだろう。海外からの留学生の割合が他大学と比較するとかなり高いのもそれに起因していると考えられる。

上4割と下位層の学力レベルは乖離していると考えられる。

留年率は高く、6年で終わらない可能性は考慮しなければならない。また浪人は危険である。

以前の底辺独走状態ではなく、それなりの成績を残しているため教育のノウハウはかなりあるだろう。そのため、より底辺の大学に行くよりはこの大学を選択するというのは悪くないという程度には推せる。 

 

朝日大学

偏差値:42.5 (前年度40.0)

学費:6年総合 1918万+教材費?(前年度と変化なし) 

募集人員128名 定員160名

特待生数:なし

H30年度入学試験:受験者数416名 合格者数249名 倍率1.67  入学者数128名

R1年度入学試験:受験者数510名 合格者数249名 倍率2.05  入学者数129名

R2年度入学試験:受験者数631名 合格者数206名 倍率3.06  入学者数128名

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1)国家試験合格率の推移

卒業保留大学、これほどこの名前が相応しい大学もないだろう。私がデータを取り始めてから卒業保留をしていなかった年はおそらく1年あるかどうかという感じである。裏で卒業させることで学生が溜まらないようにしているが、それでも6年生の人数は入学時より必ず多い。

卒業保留により表の合格率を偽装しているが、それでも過去5年で合格率が全国平均を上回ったのは6年生を50%切り捨てた113の1回のみである。その113では表の合格率が95%を超えたが、この数字を信用してはならない。

6年ストレート合格率はここ3年40~45%程度をキープしており、極端に悪いということはない。

浪人の合格率は滅茶苦茶悪いということはないが、おそらく卒業保留で浪人した1浪が頑張ってる感じで後の多浪の合格率は残念な感じなんだろう。卒業保留によって浪人の数はかなり多い。

2)6年時での学生の処遇

年によって留年、卒業保留の割合は変動するが大体35~45%ぐらいは国家試験を受験することはできない。

卒業保留自体は今年も行っている事を確認しており、おそらく37名裏から出されている。なので今年も絶対に卒業保留される学生は30~40名はいるだろう。

留年に関してもある程度の割合は適応される。

留年の方が成績が悪いのか、それとも期限切れになった学生を卒業保留で出しているのかはちょっとこの数字だけでは分からない所。

出願前留年は行われていないと思われる。

3)入学進級の難易度  

学費が全国で最も安いということで学生を集めている。偏差値42.5で倍率は今年3倍を超えた。完全な底辺校よりは入学するのは難しい。今年は表の合格率もよかったし、受験者がさらに増えるかもしれない。ただし、野球部によるスキャンダルもあったので影響があるかもしれない。

留年休学者の割合は全国平均よりやや高い27%程度である。5、6年生は比較的落ちやすい。ただし、卒業保留しているため、実際脱落する率はもっと高いはずである。

6年ストレート合格率はここ3年40~45%程度をキープしており、上4割と下の学力乖離があると考えられる。

4)総評 

学費の安さと卒業保留による表の合格率偽装により受験生を集めている。

学費の安さでここを選んだある程度上位層の学力は高く、上位3割ぐらいに入っていれば6年で歯科医師になれるだろう。

ただし、学費が安いと言っても全体の3割弱は留年休学、さらに卒業保留で出される可能性もあり、6年総額の値段で収まらない人は結構いるわけなので注意が必要である。

以前、この大学のことをハイリスクハイリターンと書いたが、6年ストレート合格率の上昇に伴い、現在はミドルリスクハイリターンと評価している。リスクはある程度存在するので注意すること。

 

愛知学院大学

偏差値:42.5 (前年度40.0)

学費:6年総合 3354万円(教材費込み)

募集人員125名 定員160名

特待生数:入試上位で110万減 2年時以降上位10%が30万円減 

H30年度入学試験:受験者数483名 合格者数316名 倍率1.53 入学者数121名

R1年度入学試験:受験者数664名 合格者数364名 倍率1.82 入学者数133名 

R2年度入学試験:受験者数455名 合格者数353名 倍率1.29 入学者数121名

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1)国家試験合格率の推移

国家試験の成績は残念ながら徐々に下がっている。表の合格率は4年連続で全国平均を下回っているが、6年生はあまり留年せずにかなりの割合が卒業して国試を受験するため、補正合格率や闇の合格率は悪くはない。

ただし、105では6年ストレート合格率は70%もあり大変優秀であったが、113では40%を辛うじてキープと言うところでたった10年で30%も下げた事は事実である。

内情は上位群から脱落し中位グループの中に埋没した存在となってしまっており、ここで踏ん張るのか、それとも落ちていくのか分かれ道にさしかかっている。

浪人の合格率は悪くはない。

2)6年時での学生の処遇 

6年生は112では出願前にカットしたが、113ではそういった操作は行われなかった。他の大学と比較すると留年率は低いが、20%程度カットした年もある。

去年殆どの学生を卒業させ溜まった底辺層が抜けたため、再度学生を絞り表の合格率を上げる方向に向かってもおかしくはない。

卒業保留は行われてないが、出願前留年はあり得る。

3)入学進級の難易度  

偏差値は42.5で前年よりやや上昇傾向だが、学費を上げた影響で受験者数は大幅ダウン。倍率は1.29倍となり入学は容易と言わざるを得ない状況である。

留年休学者率は28%程度で私立の平均よりやや高い。2年と4年が明確に留年しやすい。

4年生での留年休学経験者の割合は40%であり、ここら辺で躓く可能性は否定できない。

学費が高いので1年のロスはかなり経済的負担になることは覚悟する必要がある。

4)総評 

正直に言って学費と合格率のバランスが取れているとは言いがたい。国試の成績低下と値上げでさらにその傾向が高まった。

おそらく今後は受験生集めに苦労するのではないかと思う。学費が下げられないとすれば表の合格率を上げるしかないわけで、そういう自覚が大学側にあるなら6年生を留年させて絞ってもおかしくはない。つまり今より進級卒業が厳しくなっていく可能性がある。

ただし、1学年70人国試に受からせる地力はある。これは重要で本当に底辺はこんなに数を受からせる地力がない。そこら辺の学生の地力をうまくブラッシュアップできるかどうかではないかと思う。じりじり6年ストレート合格率は下がっているわけで、これ以上低下すると下位層が見えてきてしまう。

学費の高さを考えると、通学圏内の名古屋在住者で金銭的に裕福なご家庭に推せる程度だ。

 

大阪歯科大学

偏差値:52.5 (前年度52.5)

学費:6年総合 3230万+教材費?(前年度と変化なし)

募集人員128名 定員160名 

特待生数:入学時の成績で1名が2415万円免除 25名が515万円免除

H30年度入学試験:受験者数687名 合格者数225名 倍率3.05 入学者数128名

R1年度入学試験:受験者数757名 合格者数188名 倍率4.03 入学者数128名

R2年度入学試験:受験者数761名 合格者数249名 倍率3.06 入学者数128名

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1)国家試験合格率の推移

合格率偽装大学という名称が相応しい。近畿圏に1校しかない私立大学で周辺の歯科医師会を牛耳ってきたその栄光の欠片も感じないが、近畿圏に1校しかないお陰で今の学費で偏差値と受験者数を保っていると言っていいだろう。これが東京ならこの大学はとっくに沈没している。

出願前留年と卒業保留のダブルで学生を絞っている。113では155名いた6年生で国試を受験できたのは68名に過ぎない。これで得た合格率85%にどこまで真実味があるだろうか。

表の合格率は7年連続で全国平均を超えているが、全て数字は偽装である。それでも偏差値50以上の学生の底力と6年以外はあまり留年しないシステムで6年ストレート合格率は50%を超えてきたが、113では40%に急落した。40~50%では、中位グループでしかない。この大学の表の合格率を信じるのは危険である。

浪人の合格率はおそらく卒業保留された学生に支えられており、ある程度は良い。

2)6年時での学生の処遇 

6年生の処遇は阿鼻叫喚である。出願前留年、卒業保留両方を行っている。

6年生の40~60%が国試を受験できない年も散見され、かなり上位にいないと足をすくわれる事がある。

ちなみに113でも出願数138名、国試受験者数68名なのに卒業者数は137名。つまり69名は卒業保留で出したことになる。国試受験者より多い人数を裏から放流しているこの大学に悪意すら感じるのは私だけだろうか。

3)入学進級の難易度  

偏差値52.5で倍率は3倍程度をキープしており、入学は私立の中では難しい方である。

留年休学者の割合は16%程度と私立歯学部の中ではかなり少ない部類だが、卒業保留で出している分少なくなっている事は理解する必要がある。4、6年生あたりが落ちやすい。

6年で卒業できる確率は他の大学と比較すると高いと言えるが、卒業保留で出されれば当然浪人の1年間の費用は必要になる。

4)総評 

この大学の表の合格率を信用するのは危険である。6年間で歯科医師になれるかは卒業保留の数に左右されるがここ数年は頑張っても50%程度で、正直東歯や昭和と比べる事すらおこがましい。

学費は私立の中でもトップクラスであり、とてもリーズナブルとは言い難い。確実に6年で歯科医師になりたければ上位3割以内には入りたい。

出願前留年と大量の卒業保留を毎年繰り返して表の合格率を維持しており、それが大学の姿勢であると理解して入学すべき。

大阪歯科OB、OGのご子息で将来的に承継するために大阪歯科でなければいけないという環境の方以外に推せる要素はない(まあ、学生の殆どはそうなんだろうけど)。 

福岡歯科大学

偏差値:37.5 (前年度37.5)

学費:6年総合 2725万+教材費140万弱(前年度と変化なし) 

(募集人員93名 定員96名)

特待生数:8名

H30年度入学試験:受験者数255名 合格者数151名 倍率1.69 入学者数97名

R1年度入学試験:受験者数220名 合格者数181名 倍率1.22 入学者数85

R2年度入学試験:受験者数199名 合格者数170名 倍率1.16 入学者数88

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1)国家試験合格率の推移

ここ5年間の表の合格率は最高で58%、底辺と言わざるを得ない。学生を絞ろうがそのまま出そうが合格率はあまり変わらないという状況で、正確な合格率予想の元に卒業のボーダーラインが設定されていないのではないか。

105では6年ストレート合格率は64.6%と私立大学の中でかなり優秀だったのだが、たった数年で奈落に落ちた。それでも110,111の20%台という最悪な状況から少しは脱却しており、112,113では6年ストレート合格率は40%をキープしている。

おそらく現在上位40名程度が国試に受かる実力があるぐらいで、残りの学生の学力は厳しいだろう。

浪人の合格率は芳しくないので、浪人は危険である。

2)6年時での学生の処遇 

コロコロ方針が変わるのでなんとも言えないが、ここ2年の傾向は10~15%程度の留年であまり絞らずにそのまま卒業である。

今年も6年生は106名在籍しており、去年と全く同じ数なので同じような卒業者数となりそうな感じがする。そして同じ様な合格率?。

おそらく出願前留年は行っていないが、卒業保留は111で行ったことがある。112と113では確認出来ない。

 

3)入学進級の難易度  

偏差値は37.5で倍率は1.16倍とほぼ全入状態であり、入学は容易である

留年休学者の割合は23%と私立の平均よりわずかに低い。1、4、6年が落ちやすい学年で、特に4年時のCBTがかなりの関門と思われる。CBTのボーダーがを上げたのかもしれない。

6年ストレート合格率は40%程度と低いが、ストレートで卒業して国試で討ち取られるパターンが多いと思われる。

4)総評 

福岡は九州大学、九州歯科大学と国公立があり、さらに福岡歯科と3校が密集している。その中で福岡歯科は10年前は低迷する他の私立大学を尻目に健闘していた。しかし、107から急落してたった4年で私立最底辺レベルまで到達した。

この急落の理由は色々あるようだが、以前と比較して大幅に変わったカリキュラムの影響は否定できないようだ。偏差値と受験者数は致命的な影響を受けており、ほぼ全入という状態である。学力レベルの低下は深刻だろう。

ここ2年で国試の成績自体は少し戻したが、それでも底辺レベルである。おそらく上2,3割に入ってないと6年で歯科医師は不安なレベルである。勿論だが下2,3割の学力は崩壊しているだろう。

学費は私立大学では平均的なレベルだが、国試の成績が悪いためコスパは悪いと言わざるを得ない。留年率は高くないので国試受験まで到達はできるかもしれないが、現役も浪人も合格率が悪いので多浪の危険性は否定できない。

安易に手に職をつけさせよう、は危険な大学なので注意して欲しい。

 

まとめ

1.松本と福岡は競争率がほぼ1.0倍であり全入体制

2.愛知学院は学費アップで受験者数減

3.朝日と大阪歯科大学は表の合格率を激しく偽装している

4.愛知学院はじりじりと国試の成績がダウン、松本は正念場

5.福岡の底辺脱出は当分難しそう

 

参考資料

引用したデータのある程度の部分は文科省が毎年発表している資料から取ってきている。その内容に関しては如何に添付するが、内容の解説に関しては以下のブログを参照のこと

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