(続)とある最底辺歯科医の戯れ言集

日本語が不自由な歯科医師のろくでもないお話 

来年の歯科医師国家試験は現行出題基準!再来年以降は?

 

本来なら来年から出題基準変更

4年毎に改訂される出題基準

現行の出題基準は111回よりスタートしており、2月に行われた114回で一区切りということになる。

ということは来年の115回からは新しい出題基準ということに今まではなっていたのだが、今回はちょっと違うようだ。

厚労省の歯科医師国家試験制度改善検討部会が以後の歯科医師国家試験制度について検討していたが、このたび報告書をアップした。

検討部会のサイト

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000118156_00001.html

報告書

https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000746147.pdf

 

これによると115回は114回までの現行の出題基準が延長されて適用されるようだ。

一番最後の所に、今回まとめた変更点については116回から適用できるよう努める、という記載があるため、115は現行の出題基準という風に解釈できる。

ちなみにこの文章を読んで116にも間に合わなくて117とかあるんじゃないの?と思った方もいるだろう。

しかし、これは官僚的な用語で116には間に合わせる、そこ期限だから、と解釈した方が良い。つまり116からは変更点に合わせた国試となる。

 

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おわりに

116回からの変更点

領域の変更

今までは、必修+領域A、B、C全てで基準をクリアする必要があった。領域B(保存、小児、矯正)のボーダー点数がいつも結構高く、そこで点数が足りずに落ちたりする人が結構いた。

116からは領域B、Cが統合されて領域B(各論)という形になる。

領域自体の数が減ること自体は学生にとって悪い話ではないとは思う。一教科ミスって死亡というリスクが減るからだ。

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領域

元々禁忌肢と各教科別の最低点数は廃止されているため、国試の合格基準は

必修

領域A(総論)

領域B(各論)

で全て合格基準を満たすということに変更になる。

 

必修問題へのX2導入

これが今回最も大きな変更点となる。

必修問題はやけに難易度が高い問題と低い問題の落差が大きくなっている。

推定だが、Aタイプなら100%正答となりそうな簡単な問題をX2にすることによって80%程度の難易度にすることを想定しているのではないかと思う。

しかし、今の出題をみている限り、そういった事が本当にうまくできるのか、単純に一般問題の難易度で必修問題に出題されることにならないか危惧される所である。

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必修問題

また、X2がどれぐらいの割合になるかも問題である。おそらくこれは来年までに検討、決定されると思われるが、多くても10%ぐらいじゃないと色々崩壊しそうな気がする。

まず、必修のX2が多くなると、どれが必修でどれが一般かわからなくなってしまうリスクがある。現在はAタイプが連続する20問(各問題の先頭20問)で見分けがつくが、X2が混じると絶対にこの問題が必修、と言い切れなくなる可能性がある。

すでに一般問題と臨床実地問題に関しては一般問題における写真問題の増加により、どっちなのかよくわからない問題が多くなっており、116からは必修、一般、臨実の区別がよりわかりにくくなる可能性がある。

 

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変更点概略

 

新しい傾向と念押し

今まで歯科医師国家試験には明確に漢方薬が正解になるとか、漢方についての問題が出るということは無かったはずだが、漢方の問題が出題されるようになるみたい。

全身疾患を持つ者への対応に関する内容についてはすでに出題基準に入ってるのだが、さらに明記したと言うことは地域包括ケアに対応出来る歯科医師の育成のためにもっと深い内容も出しますよ、という事ではないかと思う。

国際保健に関する内容、というのがイメージがわかない所だが、出るとしたら必修の可能性も高いのでトレンドを抑える必要がさらに高まりそうだ。

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新傾向?

相対評価の確認

今までも、歯科医師国家試験は相対評価であるという文章がたまに出ていたが、今回もしっかり明記されていた。

 

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相対評価

 以下の文章だが、厚労省がいつまでも私立歯科大学の定員などにしっかり踏み込まなかったせいで歯科医師の飽和を招いたと思うんだが、そういうのは全部あっちにおいといて歯科医師の質の担保のために相対評価でやってやってるんだ!という官僚的文章の典型ではないだろうか。

一般問題と臨床実地問題は、合格率の乱高下を防ぎ、毎年、一定の知識・技能を持つ者を確保できるよう、相対基準を採用している。

こういう小手先の文章遊びしているから、歯科技工士の需給問題とか危機的な状況になるんだと思うぞ。

 

検討事項

多数回受験者への対応

毎回議題に上がる受験回数の制限だが、今回も見送られた。

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多数回受験者

あまりにも臨床実習を終えてから浪人している期間が長い場合は、OSCE等の臨床実習に関する技能テストを受けてもらう事を検討する必要がある、という文章がある。

では多浪生を対象としたOSCEを、いつ、どこでやるのか、合格しなければ国家試験は受験できないのか?などを考えるとこれが実現する可能性は低いのではないかと思う。

OSCEを開催するには多くの人手が必要で、それをわざわざ税金を拠出してまで多浪生対象に開催する意義を考えれば、国試受験回数を制限して多浪という概念自体をなくたした方がよほど楽だからだ。

もし受験する多浪生だけでOSCE開催費用をまかなうというなら、受験料が1人数十万はいきそうだけど、親が払ってくれちゃうんだろうなあ・・・。

国試のCBT化

国家試験をCBTのようにPC上で受験できるようにする事も検討されている。ただし、これは多量のプール問題が必要であり、もし行われるとしても当分先になりそうな感じ。

ただし、これは将来的に充分ありそうな話ではある。 

もしそうなるなら国試の問題は非公開化されるみたい。1人1問憶える形にすればすぐに攻略されそうで怖いお。

あ、それでも相対評価だから35%は落ちるんだわ。

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CBT化

 終わりに

116回からはさらに憶えないといけない事が増えるし、必修にX2が導入されることを考えると、特に浪人生は現行の制度で開催される来年の115回までに通っておきたい。

114回の発表までもう1週間を切っているわけで、もう合否は決まっているだろう。

万が一落ちてしまった人は、来年絶対に合格できるように頑張って欲しい。

 

今度5年生になる学年が116回を受験する事になる。

残念だが、もう条件は一緒だし、むしろ浪人の合格率がさらに下がる可能性もあるわけだから、ポジティブに受け止めよう。

ただし、憶える事は今までよりさら増えるからな。

 

 

 第114回歯科医師国家試験の発表は3月16日火曜日!

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