ついにクラスター
富山市の歯科医院でクラスターが発生した。
歯科医院クラスター 県内20例目 富山市内、6人感染 (北國新聞社) - Yahoo!ニュース
富山市の50代女性がクラスターの発生した歯科医院の助手。同院の感染者の内訳は医師1人、従業員3人、患者2人。同市によると、歯科医院でのクラスターは県内で初めてとなる。
同院は医師の体調不良のため、11~18日に休診し、19日に患者3人が処置を受けた。検査で患者1人は陰性だった。従業員は7人で、うち4人の陰性を確認した。同市は、クラスターとは別の患者から医師に感染し、拡大したとみている。19日に医師の陽性が判明し、同院は20日から休診している。
詳しい状況がよくわからないが、歯科医師と患者間で感染が起こった可能性が高いと富山市の保健所はみているようだ。
歯科医院での感染拡大事例はないと強調してきた歯科医師会
日本歯科医師会では、いままで歯科医院で患者と歯科医療スタッフ間での明確な感染拡大事例はないということを度々強調してきた。
3月には以下の様な答申を出して、歯科医院は安全アピールを強調した。
新聞クイントONLINE | トピックス詳細 新型コロナ、歯科治療を介した感染拡大事例なし――中間報告より
3月12日(金)、堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)は、第194回代議員会で提出した会長資料において、新型コロナウイルス感染症対応に関する中間報告を発表し、歯科医療機関での感染状況に関する評価(2月12日時点)として、歯科治療を介しての感染拡大事例がないことを報告した。全都道府県歯科医師会を通じ、「5月末」「8月末」「12月末」の3回の内部調査を実施した(2020年12月31日時点)。以下に概要を示す。
2020年3~12月までの累計報告の事例数として、歯科医師の感染73/歯科衛生士の感染74/スタッフの感染67/スタッフ家族の感染61/歯科治療を介した感染拡大事例なし39/不明8報告書では、「34都道県で歯科医師、歯科衛生士、スタッフ等の感染の報告があり、13件では感染報告がなかった」「いずれの調査においても、歯科治療を通じて感染が拡大したことが明らかに疑われる事例や歯科治療を介してのクラスターの報告はなかった」「歯科治療を通じての感染拡大報告がない背景には、歯科医療現場では日頃からマスク、手袋、ゴーグルの装用等、標準予防策が徹底され、それに加えての対策が講じられている結果と認識する」と示されている。また、「歯科医療機関で講じられている対応策とその効果等を検証するとともに、必要とされるコスト等も確認するための調査も開始しているところである」としている。
正直に言って、いままで歯科医院は運が良かったと私は思う。
勿論、スタンダードプレコーションを各歯科医院で徹底してきたと思うが、歯科治療は患者の体調が悪ければ断ることもできるし、意識レベルが鮮明な人が来院しているわけでそこら辺はクラスターが何回も起こってきた病院とは全然違う。
去年話題になったようなリスクが全業種でトップとかそういう事はないだろうが、口を開けて治療する以上リスクはそれなりにあるはずである。
そんなことは少し考えれば簡単に想像がつきそうなものだが、歯科医院でクラスター事例がないことに大阪府知事が乗っかって呆れられたのは記憶に新しい所である。
コロナウイルスは口の中、唾液に多く含まれている。なのでマスクが有効だし、飲食の場も指摘される。一方で利用者側がマスクができない環境に歯科医院がある。大阪には5500もの歯科医院があるが、クラスター発生はゼロ。感染対策の賜物と思うが、何かある。何か?専門家には、是非分析してもらいたい。 https://t.co/jAhxd30O4d
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) January 19, 2021
富山県歯科医師会の対応
富山県歯科医師会は会長が以下の様なコメントを出した。
誠に残念ながら、4月29日に富山市内の歯科医師会に入会していない歯科医院で新型コロナウイルス感染症のクラスターの発生が確認されました。
現在判明しているクラスターの概要は以下の通りです。
4月19日に非会員の歯科医師の感染が判明し、その後29日までに歯科助手や患者様など合わせて6人の感染が確認されました。富山県歯科医師会はこれまで、会員各歯科医療機関に対して、歯科診療時におけるマスク・手袋・ゴーグル等の着用の徹底に加えて、更なる高度感染予防策を講じるよう指導してきましたが、このような事態が招来したことは大変遺憾に思っています。
富山県歯科医師会は、会員各医療機関における患者様の安全確保と感染予防対策を再確認するとともに、これまで以上に、患者様の安心と安全を第一にして歯科診療に取り組むよう、会員各医療機関を指導し、県民のみなさまの健康をお守りし、安心で明るい社会が戻るように努力を続けて行きます。
令和3年4月30日
一般社団法人富山県歯科医師会
会 長 山﨑 安仁
歯科医師会に入ってない非会員だからクラスターが起こった、という風に解釈できたんだが、皆さんはいかがだろうか?
正直、このコメントは悪手ではないだろうか?
ウイルスであるSARS-CoV2が歯科医師会会員と非会員を識別してくれるとでも?
なんというかわざわざ非会員を強調するぐらいなら、こんなコメントはない方がよかった。
感染事例を踏まえて保健所と協力して再度こういう事がないように対策していきます、ぐらいでは駄目だったんだろうか。
また、更なる高度感染予防策って何なの?
富山県歯科医師会ではPPEフル装備しばりなの?
ちなみに別のニュースソースでは、マスクやゴーグルなどの通常の感染対策は普通にしていたと記載されている。更なる高度感染予防策を怠った非会員だから発生したクラスターなのだろうか?
去年も富山は一悶着
去年の丁度この時期に富山市歯科医師会はかなり叩かれた事を憶えているだろうか。
ドライブスルー形式でspO2を計測するというわけのわからないイベントを開催しようとして、色々な先生方からクレームを受け中止になった。
日本歯科医師会は今後どう発信するのか
自分としては、歯科医院での医療者、患者間のクラスター事例なしという事を色々な所で歯科医師会が発信するの苦々しく思っていたので、途切れたのは少しホッとしたのも事実である。
しかし、日本歯科医師会はまだ変な事を発信しないとも限らない。このコロナ禍の中で散々前例があるから。
私的には以下の様な予想を立てた。
日本歯科医師会「歯科医師会会員の医院では起こっていない!だから日本歯科医師会会員の歯科医院に通院を!!」と言い出すに1000ルピー
— spee@ライスシャワー (@spee_dentalblog) April 30, 2021
正直これまじで言い出したらゲスの極み https://t.co/VKWVbWczUc
まさかとは思うが、こうならないことを祈りたい。